経済物理学で日経平均株価の暴落時期を探る 日本株はバブルなのかまだ上がるのか

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ディディエ・ソネットは、臨界モデルを実際の市場変動に当てはめることで、米国のブラックマンデーや大恐慌、アジア通貨危機時の香港株の暴落時期を予測可能だったとしている(『入門 経済物理学 暴落はなぜ起こるのか?』2004年、PHP研究所)。日本の研究でも山澤成康教授が1987年の日経平均株価のバブル崩壊についてモデルの有効性を検証している(『新しい経済予測論』2011年、日本評論社)。

なお、当該モデルはバブル崩壊前後の株価の水準を予測する能力は高くない。これは、臨界点に達するバブル崩壊直前には数式のうえでは株価が発散することになるが、実際の市場では1日の値動きは限定されるからである。

明日にでも日経平均株価が暴落する可能性を示す

日経平均は足元で急上昇を演じ、「バブルではないか」という見方が増えている。TOPIXに先んじてバブル後26年ぶりの高値を更新した。日経平均株価のバブル崩壊を分析してみよう。

上昇トレンドがスタートした2016年12月以降の日経平均株価に対して2017年11月末から2018年12月末までにバブルが崩壊する(臨界点に達する)というモデルを当てはめた結果、直近の月末である2017年11月末から2018年2月末にかけて当てはまりのよさ(決定係数)が低下していくことがわかった。これは、2018年2月末までの期間においては2017年11月にバブルが崩壊する可能性が高く、それ以降は徐々に可能性が低下することを示す。

さらに、データ取得期間の翌日(2017年11月9日)にバブルが崩壊するというモデルを推計したところ、決定係数は0.76となり、11月末時点の0.67から上昇した。つまり、足元の株価の動きから判断すれば、2018年2月末までの期間では明日にでもバブル崩壊が生じる可能性が高いことになる。

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