続々登場「乗り物運賃無料」企画は成功するか 10月の池上線に次ぎ11月は2カ所で開催

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交通機関そのものの認知度向上や利用者増加へのきっかけづくりとともに、これまでの例では地域のにぎわいにもインパクトをもたらしている「運賃無料」。イベントではなく、市街地の回遊性を高めるための手段として民間が常時運行している例もある。

「メトロリンク日本橋」のバス。無料で日本橋エリアを巡回している(記者撮影)

その一例が、日の丸自動車興業(東京都)が都内で運行する4路線の無料巡回バスだ。2000年にお台場の商業施設などを巡る「東京ベイシャトル」を運行開始したのを皮切りに、2003年に「丸の内シャトル」、翌2004年には「メトロリンク日本橋」を開業。2016年10月には日本橋エリアの東部を回る「メトロリンク日本橋Eライン」も加わった。「メトロリンク日本橋」は年間85万人、運行開始から約1年の「Eライン」は、現在は月4万人の利用があるという。

無料バスというビジネスモデル

日の丸自動車興業によると、運営はすべて沿線企業や団体の協賛金で賄っており、これらの企業などで構成する「協賛者会」から日の丸自動車興業が委託を受けるという形で運行している。行政の補助などは受けていない。「Eライン」を例にとると、協賛企業には三井不動産や安田不動産、三越や高島屋といった大手企業や老舗デパートなどが名を連ねる。

運行の目的は、回遊性を高めることによる地域の活性化だ。ルートは協賛者会と同社が共同で決めているといい、たとえば「Eライン」の場合は日本橋エリア中央部のにぎわいを兜町や茅場町など東側にも広げたいという狙いがあったという。

日の丸自動車興業の担当者によると、企業が協賛する理由は主に「老舗・大手企業の社会貢献」「来店・来街者や社員向けのサービス」としてだという。無料巡回バスの運営は、同社にとっても「地域貢献的な意味合いが強い」というものの、最初の路線開業からすでに17年が経過しており、沿線企業や団体の協賛金による運営というビジネスモデルが成立しているといえる。

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