都市農家を待ち受ける固定資産税激増の未来

地主系お金持ちも3代続けばむしり取られる

相続税の納税猶予制度を「利用している」なら、基本的に生産緑地のまま農業を続けるという判断になるでしょう。相続からの年数が長くなればなるほど、納税猶予の打ち切りによる利子税が多額になるからです。

そして、次の相続が発生し、猶予されていた相続税が免除された段階で、農業をさらに続けるかどうかを検討することになります。

農業を続ける場合、単に農作物を育てるだけでなく、併設したショップで農作物を加工して販売するとか、併設したレストランで農作物を使った料理を提供するとか、なんらかの付加価値を付けることを考えるべきです。

いずれにしろ、現状維持で先送りしているだけでは、いずれ大きな問題に直面します。早めの決断が重要です。

将来への不安から農業をあきらめ企業勤めへ

多くの不動産を所有し、地元の名士として周囲の尊敬を集めてきたのが地主や都市農家のみなさんです。しかし、これからもずっと「名士」の立場を維持できるかというと、微妙な時期に差し掛かっていると思います。そもそも、地主や都市農家の方への税負担は重たく、「2022年問題」は将来を考え直すよいきっかけなのかもしれません。

たとえば、首都圏の近郊で10代続く農家の長男であるBさんはいま40歳で、奥さんと小学生のお子さんが2人いらっしゃいます。

Bさん一族には数百坪の農地があり、そのほとんどを90代の祖父が所有。自ら耕作する面積は少なくなりましたが、いまだにしっかり目を光らせています。

60代になるBさんの両親も、Bさんの祖父が所有する農地の多くを任され、農業に携わっています。

祖父母、両親、Bさんの家族は同じ敷地内にそれぞれ家を建てて暮らしており、普段は仲よく行き来しているそうです。

「でも、この農地をいまのまま維持していけるとはとても思えません。私の子どもの代まで考えると、3世代6回の相続が予想されます。以前は、早いうちに手を打つべきだと考え、祖父にも提案したのですが、昔気質の人で『余計なことはするな』とまったく通じませんでした」

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