藤沢:ここからは議論が始まります。総選挙があって、消費税から使おうという公約があり、もちろん保険でやろうという意見も残っています。もう1つ、国債でやろうという意見も。その3つから、どんな形であれ子どもたちのための予算がつきそうなわけですから、たいへんすばらしいことです。
国におカネを預ける不信感も解消しなければ
木本:わかりやすく新しい制度を作らないと、国民の頭には「ピンとこない」ですよね。
藤沢:わかりやすさは大事ですね。この議論は「人生100年時代構想会議」の中で進んでいくことになります。どう働くか、子育てをどうするかという話がどう変わるかの進展を見守りたいです。
木本:僕自身、昔に比べて収入があるから、「いいやん」と思ってしまう。でも、全然仕事がなかったときの自分は「480円、なんでやねん」と思ったかもしれない。その辺りが世間とずれているかどうか、いまいち自信がないんですけど。
藤沢:ピンときていない人も、まだまだ少なくありません。市民感情として国におカネを預ける不信感があるからです。消費税は、何に使われているかご存じですか? 社会保障が目的なはずなのに、増税分の半分は借金返済に使われています。国民全員が消費税を払っているけれど、見返りの実感が得にくいのです。だからこども保険を実現しても「本当に子育てに使われるの?」と。国の役人が自分たちの懐に入れてしまうような感覚を持っている人も多いんです。
木本:そう思います。だから、よりわかりやすくするために、国のホームページで、保険料が減るたびにデジタルで誰が見ても把握できるようにすればいいのに。
藤沢:全部見えるようにするのは必要ですよね。説明が足りないところがあるので、しっかり国民のために使われているという証明をし続けないと。
木本:ガラス張りにする何かを作ってほしいですよね。年金を払わない若者がいますが、以前は人生のレールがはっきりしていたじゃないですか。今はレールの種類も多いし、レールのない道もある。選択肢がありすぎて、将来をあまりイメージできません。だったら「年金なんてどうでもいいや」となりがちのような気がします。この先の自分のイメージをしやすい社会になるといいですよね。
藤沢:それこそ政治家の役割です。官僚はきちんと計算はやりますが、これからの社会はこうなるよねというのを、わかりやすく政治家が示す必要があると思います。
木本:VR装置をはめたら、こども保険でこうなっていくというのをわかりやすくディスプレーできればいいですよね。
藤沢:目に見えて実感してもらうことが大事ですね。
木本:反対意見も尊重しつつ、こども保険が必要だという浸透の仕方をしていくといいですね。今回はとても考えさせられました。ありがとうございました。
(構成:高杉公秀)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら