首都圏のあるスーパーに勤める30代の主婦Bさんが、まさに絵に描いたようなエピソードを話してくれました。
「私たちの仕事はレジ、店内見回り、フリーという分担に分かれています。フリーというのはバックヤードで発注や伝票処理をする仕事で、立ち仕事じゃないぶん体がちょっと楽なんです。でも特売日とかの忙しい日はほとんどフリーの時間がありません。
それなのに、そのお局様はずっとフリーの仕事をやっているんです。『レジお願いします』と言っても来てくれずに、ずっと裏にこもっているんです。さらには裏の掃除までし始めて。それは今じゃなくてもいいんじゃないのって思いますよね」
ベテランに腰の引けた態度では職場がダメになる
確かにこれでは職場の秩序が乱れます。さらにBさんの話は続きます。
「店長は、裏にこもっているお局様を注意するどころか、『〇〇さん(お局様)が裏の掃除をしてくれました。皆さんお礼を言いましょう』って言う始末です。『何よ、この茶番劇は』と周りは失笑するしかありませんでした」
ここに問題の本質があります。お局様の存在が、多様な働き手で構成される職場でのマネジメント難易度を格段に高めてしまうのです。お局様に対して毅然とした態度が取れないと、ほかのスタッフからの信頼も失ってしまう。こうして責任者である店長が職場をコントロールできなくなること、これこそが最大の問題です。
「店長には、それでいいと言われたかもしれないけど、来店されたお客様には、こちらから声をかけて接客してください」―――。
1カ月前からある眼鏡ブランド店でアルバイトを始めたBさんは、副店長にそう言われ内心ムッとしたとのこと。店長からは「レジまわりの仕事をして慣れていきましょう」と指導され、少しずつ仕事に慣れてきた矢先の出来事だったからです。
この副店長は、最近赴任してきた新任店長よりも年上の先輩。店長が休みの日には、店長の方針と違うことを言ってアルバイトスタッフを混乱させることもしばしばあるとのことでした。これは明らかに年上副店長の新任「落下傘店長」への反感がベースとなっています。
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