習近平「一強」の独走体制ににじむ中国の焦り

7人の新最高指導部が選別された舞台裏

後継者問題と関連があると思われるが、今回、政治局常務委員となった5人は、かつての部下など、習氏と特に近い関係にあった者ばかりだ。韓氏は上海市での勤務が長く、江沢民派だといわれるが、かつて習氏が上海市書記に就任するに際して積極的に協力した経緯があり、縁は浅くない。

習氏がこのような人物たちを政治局常務委員としたのは、中国広しといえども、本当に信頼できる人物はあまりいないからだろう。ここにも習体制の足元が見掛けほど強くないことが表れている。

低成長と人口減でひずみは顕在化

今後、中国の経済はなお成長を続けるだろうが、かつてのような急成長は望めなくなっているのも問題だ。

特に労働条件の優位性が失われつつあり、人口の減少傾向は深刻化していく。労働力人口の減少ペースは2020年以降一段と加速し、2050年までには現在から2億5000万人も減少すると試算されている。そのような状況下、社会のひずみと格差は、従来以上に顕在化してくるおそれがあろう。

共産党の一党独裁については、本来的に不安定な面がある。鄧小平が1989年の天安門事件後、西側諸国は「和平演変(平和的な方法で転覆させる)」を狙っている、と言ったのは有名な逸話だ。が、それ以来、歴代の指導者は誰もこの危機意識を払拭できていない。習氏も例外でない。

中国共産党の独裁体制は、今後5年間、習氏の下で最も安定し、「中国の夢」実現に近づくかもしれないが、その後は指導者、諸改革、経済成長のいずれをとっても、問題が増大する危険があるのではないか。

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