誰が会社の責任を負うのか
顔写真を公開し、社長や役員の顔を見えるようしている企業努力がいかに長期的な信用を育み、株価を高めるか、おわかりいただけたのではないかと思います。ここでもうひとつのポイントをお伝えしたいと思います。
先ほどの質問項目に入れた指標のひとつ、「B)社長あいさつ」にそのポイントがあります。
それは「社長あいさつの『主語』が何であるか?」というポイントです。
多くの人は「?」と思われるのではないでしょうか?
英語がつねに主語を必要とするのに対し、日本語はそもそも主語を必ずしも必要としません。仕事の中で取引先と応対する際も主語が不明瞭な場合は多いのではないでしょうか。「私」の発言であるのか、「会社」の発言であるのか、ぼやかしながら発言されていませんか?(ちなみにこの記事は、私の個人的見解となります)
しかし、発する側の意識は“その程度“だとしても、これが受け止める側としては、心象は異なってくるわけです。その証拠となるのが、先程示した株価のデータです。
情報の受け止め側としての社会の私たちは、最終的に誰が責任を取ってくれるのか、ということも含め、企業の”責任感”や”風通しのよさ”といった要素を感じ取り、それらが株価に反映されていると考えることもできます。
多くの会社が社長や役員の顔写真をWebサイトに掲載していないのは、情報を「開示するリスク」を考えてのことだと思います。しかし、今の時代は「開示するリスク」と「開示しないリスク」、どちらが上回るのでしょうか。もしかすると、まだ多くの企業が迷い、踏みとどまっているのかもしれません。しかし、3年後を考えてみてください。どうでしょう?より透明度が高く、信頼ができる会社へ、多くの資本が集約されるのではないでしょうか。
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