海外マネーが地方の不動産に続々流入 福岡市などで取引活発
[福岡 12日 ロイター] - アベノミクス効果の波及で不動産市況が回復の様相を見せるなか、海外の投資家による日本の不動産投資が、東京から地方都市に広がってきた。
福岡市では不動産の売買成立ペースや価格が急ピッチで上がる一方、投資家の期待利回り(キャップレート)は低下。それでも投資意欲は衰えず、過熱感を警戒する声も一部で出始めた。
売買成立ペースが加速
福岡市では、今年1月から9月上旬に外資系ファンドなどによる不動産の取得が4件あった。2011─12年の2年間で1件しか取引が成立しなかったのとは対照的だ。
関係筋によると、モルガン・スタンレーの運用する不動産ファンドは7月、博多駅近くの大通りに面した築38年・12階建の大博多ビル(福岡市博多区)を約50億円で取得。ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの運用する私募リートは5月、オフィスビル、MG薬院ビル(福岡市中央区)を約35億円で取得した。
この他、メットライフアリコ生命も今年2月、市内の目抜き通りにある商業用ビルを約100億円で取得。米投資ファンドエリオットマネジメントも今年に入りオフィスビルを購入した。
関係筋によると、メットライフアリコは別のオフィスビルの取得に向け交渉するなど、不動産売買が増えている。