特にマドンナは熱心なアバファンで、許諾を得るために使者をスウェーデンにまで送り込み、必死に嘆願したのは有名な話だ。この「Hung up」は全米だけでも870万枚以上を売り上げ、世界43カ国でNo.1を記録。これはポップミュージック界史上No.1最多獲得国数で、マドンナの歴代シングルの中でも最高のセールスとなっている。
歌詞のローカライズ
3つ目は先述した大ヒットミュージカル『マンマ・ミーア!』の世界展開にあたって、オリジナル歌詞のローカライズを認めたという点だ。
アバの歌詞というのは政治色やメッセージ性が強いものではない。初期と後期を比べると、若干、歌詞の世界観が異なってくるが、シンプルながらも深みがあり、自分たちのプライベートな出来事さえも取り入れたラブソングを基本としているのが特徴だ。そのためミュージカル『マンマ・ミーア!』のストーリーを構築していくうえで、楽曲を1つの物語として適応させることが可能だった。
また、ミュージカルの上演に際しては、オリジナルの英語詞ではなく、その国の言語で歌唱することに許諾を与えたのだ。その場合、クオリティコントロールが重要になってくるが、現在まで22カ国の言語に翻訳され、世界6大陸、50カ国以上で上演され、6000万人以上が観た舞台となっている。ちなみに『マンマ・ミーア!』の日本語盤CDに関しては、なかなか許諾がおりず、初演から10年経った2014年にようやくCD発売された経緯があった。
アバの解散後のプロジェクトはすべて「観客が歌って踊って楽しめる」ということに主眼を置き、ファンのためにその「精神と記憶」を維持し続けているといえる。「ソングファースト」の姿勢をずっと貫いているからこそ、世代を超えて愛され続けているといえよう。
そして先日、続編となる映画『マンマ・ミーア! Here We Go Again』が2018年夏に公開されることが発表された。もちろん前作同様、メリル・ストリープも出演する。10年前と同様、『マンマ・ミーア!』と伴走して世界中にアバ旋風が巻き起こるのは間違いないだろう。
彼らの曲は「古い」とか「新しい」とか、そういった言葉では語ることはできない。ただ「美しく、生命力がある」のみだ。ストックホルムにある歴史的建造物や芸術作品と肩を並べて語られる日も、そう遠くはないだろう。
次回の記事では、アバの解散後ビジネスを支える仕掛け人について取り上げていく。
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