子どものカネを収奪する「経済的虐待」の真実

虐待された当事者が手紙に書き記したこと

いつかわかってもらえるかもしれないという期待は、つぶされました。私を苦しみから助けてくれたのは、カウンセラーや友人です。恨みで鬼のような顔をする私を家族に見せたくないし、もうあなたから搾取される人生はまっぴら。私はあなたと真逆の考え方で、幸せに生きます。

この国では子どもの人権は大事にされない

このような「子ども虐待」の被害者の声を、僕ら日本人は日常的に聞くことがない。日本社会では「何をされても、親だろ? 悪く言うな」という声がまだ大きいため、被害者が声を上げることが難しいのだ。
従来の虐待防止策は、「子育て支援」など虐待する親へのケアを優先してきた。おかげで児童相談所に寄せられる虐待相談は26年間も増え続け、減ることがない。そこで、冷静に考えてみてほしい。
たとえば、男が少女をレイプしたとき、男にレイプさせない仕組みを作ることを、少女へのケアより優先したい人などいるだろうか?
子ども虐待の場合でも、「育てる側の親目線」より「育てられる側の子ども目線」が優先される必要がある。子どもを育てる親も大変なら、育てられる子どもも同時に大変なのだ。
親から虐待されかねない子どもや、虐待されてしまった後でようやくその自己認知ができた大人の被害者が勇気を出して発した小さな声すら聞こうとしないなら、やはりこの国では子どもの人権は大事にされないのだと思わざるをえない。
だから、この本を企画し、編著者として制作した僕は、一般市民からオファーを受ける形で虐待防止の講演に呼ばれ、全国各地を飛び回っている。講演会の後には必ず、聴講者たちをお茶会や飲み会へ誘い、みんなで気軽に話をする。
地域では、虐待された人々が被害経験を誰にも言えないまま孤立を強いられている。そのため、一方的に講演して去るのではなく、その地域に同じ痛みを分かち合える人同士のコミュニティを作るチャンスにしたいのだ(この講演は年内までノーギャラで応じている)。
『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』という本も、そうした被害当事者たちや当事者の痛みを分かち合おうとする人たちによって寄付や事前購入が進められ、制作資金を調達でき、刊行の運びとなった。
もっとも、本書を書いた100人への採用謝礼(1人1万円)と振込手数料、本の発送代など110万円が足りず、現在も寄付とサポート購入を呼びかけている。ぜひ、特設サイトをご覧のうえ、「親への手紙」を書いた100人の勇気を買ってほしい。
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