「ムダな会議」を有益に変えるためのコツ3選 美しい資料と関係者全員参加にこだわるな
新規事業などのアイデア出しの会議は、会議全体のうち10%程度といわれています。その際、アイデアを出し合う「ブレインストーミング(ブレスト)」は、多くの会社が取り入れている手法でしょう。自由闊達にアイデアを出し合う……といえば聞こえはいいのですが、案外、行き詰まってしまうことも多いものです。
いくら「思いついたアイデアを、ほかの人のことは気にせずに、何でも自由に発言して。質より量だよ」と言われても、実際には、誰かの意見に流されたり、ほかの参加者に遠慮したりと、期待した成果が出ない経験をされているのではないでしょうか。
「沈黙の会議」
そこで、「沈黙の会議」と呼ばれる、「ブレインライティング」という手法を紹介します。これはドイツで開発された手法で、「6・3・5法」と呼ばれることもあります。短時間で、創造的なアイデアをつくり出すことができます。
原則として参加者は6名にします。6名が各々、3つのアイデアを、5分間で考えてメモ用紙に書き出します(だから「6・3・5法」です)。5分経ったら、隣に回します。次の5分は、回ってきたメモ用紙を見たうえで、さらに新しいアイデアを3つ考えて書き出します。これを30分間(5分×6クール)続けると、3案×6人×6クールで、108個のアイデアが出すことができます。
この間、参加者同士の会話、口頭での議論はありません。しかし、ほかの5人のメモが回ってきますから、「Aさんはこんなこと考えたんだ。へぇ。じゃあ僕はこうだ」という「沈黙の会議」になっているのです。
6回目には、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんが書いたものが15個書かれたメモが回ってきます。それを全部読んで、そして最後の自分のアイデアを書くわけです。思いつくままに書き出すのではなく、ほかの人たちの考えを踏まえているところがミソです。しかも議論をしているわけではありませんから、アイデアに上下関係はなく、年齢も性別も職種も関係ない。全員が対等で、妙なバイアスがかかりにくいのです。
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