日経平均、「アベノミクス相場」の高値を更新 終値は2万0881円、好調な企業決算を「先取り」

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 10月11日、東京株式市場で日経平均は7日続伸した。終値は2万0881円27銭となり、いわゆる「アベノミクス相場」での終値ベースの高値2万0868円03銭(2015年6月24日)を上回った。写真は都内で2015年4月撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 11日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は7日続伸した。終値は2万0881円27銭となり、いわゆる「アベノミクス相場」での終値ベースの高値2万0868円03銭(2015年6月24日)を上回った。外為市場での円安一服などを背景に小安く始まったものの、米国株が堅調なほか、中間決算を前に日本企業の業績上振れへの期待が継続し、相場上昇を支援した。

TOPIXは小幅に3日続伸。セクター別には保険が買われたほか、商品相場の良好な地合いを受けて非鉄金属のほか、空運や陸運もしっかり推移した。一方、製品データの改ざんが発覚した神戸製鋼所<5406.T>の下げが重しとなって鉄鋼が軟調。倉庫・運輸関連や輸送用機器が下落した。

市場では「小売の中間決算が始まったことで、今月後半から本格化する9月期中間決算での好決算への思惑を前倒しで織り込む動きとなっている」(内藤証券・投資調査部部長の浅井陽造氏)との声が出ていた。米国株も崩れておらず、円安基調も継続。外部的なショックがあれば調整地合いになりやすいと見られるものの「北朝鮮の挑発行動でもなければ、来週からの中国の共産党大会が終わるぐらいまで大きく崩れることはないのではないか」(浅井氏)として、目先の底堅さは続きそうだとの指摘が聞かれた。

個別では、東芝<6502.T>が強含み、一時4%を超す上昇となった。東京証券取引所が11日、東芝株について特設注意市場銘柄の指定を解除する方針を固めたと、日本経済新聞が電子版で報じたことが材料視された。

一方、アルミ・銅製品での検査データ改ざん問題が発覚したことを受けて前日にストップ安比例配分となった神戸製鋼がきょうも売られた。読売新聞は11日付朝刊で、同様の改ざんを神戸鋼は鉄粉でも行っていた疑いがあることが分かった、と報じており、問題拡大への懸念が広がっている。東証1部の売買代金でも神戸鋼がトップとなった。

東証1部の騰落数は、値上がり879銘柄に対し、値下がりが1045銘柄、変わらずが106銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値 20881.27 +57.76

寄り付き 20803.71

安値/高値 20788.12─20898.41

 

TOPIX<.TOPX>

終値 1696.81 +1.67

寄り付き 1693.62

安値/高値 1691.11─1697.33

 

東証出来高(万株) 153158

東証売買代金(億円) 23703.81

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