米国株はまだ「天井をつけた」とは言えない 日本株も「アベノミクス最高値」更新へ?
米国株がなかなか下がらない。NYダウなど代表的な指標が史上最高値を更新する中「もう、さすがに天井圏だろう」と見る向きは多い。なぜなら、天井圏の特徴である金利上昇と量的引き締めが始まっているからだ。
米国株の相場天井の条件はまだ実現していない
相場天井の特徴は、金利急騰、株価急騰、景気過熱だ。これに量的引き締めが加わって、株価低下、景気下降となり、下げトレンドが形成されていく。しかし、米国株は一見天井の条件が揃ったように見えるものの、実は何一つ実現していないのだ。
「米国株がなかなか下がらない」と表現したが、実はNYダウの年初来上昇率は14%ほどであり、例えば日本のジャスダック指数(31%)や、東証2部指数(28%)には今年はアンダーパフォーム(割負け)している始末で、とても急騰とは言えない。
金利も昨年から上がり始めてはいる。だが、米国債の10年債利回りはいまだに2.3%台で急騰ではない。もちろん、景気も最近好調な指標は出ているものの、「まだら模様」の様相もあり、過熱とまでは、言えない。
そして、何より決め手となる量的引き締めであるFRB(米連邦準備理事会)の資産縮小だが、開始時は100億ドルの縮小で、3カ月ごとに上限を引き上げとは言え、初年度合計で3000億ドル。資産規模4兆5000億ドルからの縮小ペースであり、極めて緩やかだ。
2008年9月から9年間の株価上昇を持って、「そろそろ天井」と言うのも、実は根拠がはっきりしているわけではない。もちろん、一概には比べられないが、長い目で見れば、日経平均株価は1974年の3355円から1989年の3万8915円まで15年間も上昇した。逆にNYダウは、1965年から1982年までの間、17年間も上昇せず、停滞していたのだ。
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