「10月に日本株を買うと儲かる」は本当か 過去21年間のデータで検証してみた
ドル円相場が一時1ドル=113円台に入りました。日経平均株価も、アベノミクス相場で付けた最高値(2015年の2万0868円)が射程圏に入ってきました。衆議院選挙(10月22日)向けての政局流動化、地政学リスクの再燃にも注意しておきたいところですが、円安による企業業績の上振れ期待が株価の下支えとなりそうです。
株高の背景には、10月の新四半期入りにともない長期資金が流入しているのかもしれません。あるいは、原油相場の底入れを背景にオイルマネーによる日本株への資金回帰の期待も高まりやすい状況にあります。
「投資の日」に買い、翌年3月まで持つと好成績?
さて、10月4日は「投資の日」です。仮に「投資の日」に日本株を買って、ちょうど下半期が終わる翌年3月末まで持った場合、過去のケースではどうなったでしょうか。東証1部全体の動きを表すTOPIX(東証株価指数)で振り返ります。
「投資の日」が設定された1996年から、昨年までの21年間では、13勝8敗と騒ぐほど勝率が高いわけではありません。ただ、直近10年間で見ると、7勝3敗となり、負けのうちの2回が2007年と2008年でした。2007年と2008年は住宅バブルの崩壊や金融危機のあった影響が色濃く出たため、ある意味で例外と考えれば直近10年間はかなり高い勝率と判断することもできそうです。
昨年から見ていくと、2016年は12.8%、2015年は-6.8%、2014年は20.3%、2013年は3.4%、2012年は40.7%、2011年は16.1%、2010年は5.7%、2009年は11.9%でした。なお、21年間で悪いパフォーマンスが多かったのは、バブル崩壊後に近い1996~2002年の相場低迷時でした。
今年のパフォーマンスのカギを握るのは、今、絶好調な米国株の行方です。10月2日にはNYダウ平均株価が8営業日ぶりに史上最高値を更新、3日も2万2641ドルと連続で更新となりました。相場用語で言うと、「青天井」の状況となっていますが、短期的に警戒する水準としては2万3300ドル程度が考えられます。
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