日本株は結局、11月中旬まで上昇が続く? 利益確定?儲かっている人は悩ましい局面
日本の政治が再び動いた。28日に予定されている臨時国会の冒頭解散には意外感はあるのだが、実は11年前の2006年9月26日に第1次安倍内閣が発足しているのをご存じだろうか。安倍晋三首相にとって、9月は思い入れのある節目なのかもしれない。今回、日本株は解散報道も巻きこんで上昇しているが、さらなる年末高へとつながるのか?重要な高値や安値がついた日からの日数経過比較や、投資家の需給の面から、日本株の見通しを探ってみた。
日本株は11月中旬まで緩やかな上昇が続く?
まずは重要な高値と安値の周期から、相場の先行きを探ってみよう。8月18日付の記事「日経平均下落で覚えておきたい『3つの価格』では、「過去2年の日経平均株価はボトムサイクルがみられる」とお伝えした。つまり、2015年6月以降の調整局面を振り返ると「安値」と「安値」の間に4~5カ月(90~106日)の周期的な動きがみえてくるという分析だ。今回は4月13日の安値(1万8335円)から9月8日の安値(1万9274円)までで、ちょうど100日目に底入れした。
一方、過去2年の日経平均株価の上昇局面を見ると、短くても約2ヵ月間(42~49日)に及ぶ。仮に9月8日の安値を起点に当てはめると、今回は、11月中旬まで戻り歩調が続くことも想定される。
9月8日以降、日経平均株価は2週間近くで1100円超上げた。北朝鮮情勢の緊迫化が一服するなかで、衆議院解散総選挙の意外感も重なった。足元の信用売り残は再び1兆円台まで膨らんでいる。信用取引で「売り建て」をしている投資家は、株価の下落局面で買い戻せば利益になるが、上昇局面では逆に損失が拡がる。信用売りしている投資家は、現時点では損失限定の買い戻しを迫られているようだ。
9月以降は、1日あたりの東証1部売買代金が3兆円台になる日が増えるなど、物色の矛先は大型株に移りつつあるようだ。投資指標が割高感を示す新興市場の小型成長株が売られる一方で、相対的に出遅れていた指数寄与度の高い値がさ株が買われている。
ただ、日本銀行が上場投資信託(ETF)の買い入れを年6兆円規模で続けていることから、一部の値がさ株では日銀が大株主に顔を並べている事象もみられる。「日銀マネー」等による過度な相場下支えが正常な株価形成に歪みを生じさせており、日経平均株価の年初来高値更新も素直に喜べない一面もある。
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