希望の党「ドタバタ劇」で笑っているのは誰か 「大山鳴動して安倍さんニンマリ」という現実

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日本記者クラブの党首討論での1コマ。「小池旋風」が凪へと変わった今、安倍首相は「ごちそうさまです!」という気分かもしれない(写真:ロイター/アフロ)

小池百合子東京都知事が「希望の党」の結党を明らかにしたのは9月25日のこと。それから数日間にわたって吹き荒れた小池旋風は、公示日直前になって凪(なぎ)へと変わったようだ。

10月9日に行われた総決起大会は活気がなく、同日内に比例名簿の発表もできなかった。どうやら順位について異議が出たらしい。かねてから一部の候補者への優遇が伝わっていたが、大量当選の可能性があるなら紛糾はしなかったはずだ。本衆院選における国政への転身をあきらめた小池代表は、こうした混乱をどう収めていくのか。そして選挙戦の12日間を、どう戦い抜くのか。

行く先々で「アベ政治を許さない」のプラカード

安倍首相の街宣には、このようなプラカードやのぼりが追いかけてくる。首相周辺はそれを避けようとして街宣情報の管理に神経を使っている(筆者撮影)

希望の党の結成と民進党解体騒動に各メディアがかまけていたとき、自民党は総理日程に街宣を組み込むなど、粛々と選挙準備を整えていた。だが安倍晋三首相には悩みがあった。安倍首相が行く先々で「アベ政治を許さない」などと書かれたプラカードを持って待ち構えている面々だ。

きっかけは7月1日の都議選最終日。安倍首相が秋葉原駅前で街宣したとき、あまりの野次のひどさに「この人たちに負けるわけにはいかない」と声を張り上げて反論したことが大きく報じられた。

野次を飛ばせば安倍首相は怒り、国民へのイメージが悪化する。そう踏んだ反対派は、徹底して安倍首相の弱みを突こうとしている。それを嫌がる安倍首相側もまた、徹底して街宣のスケジュールについての情報をコントロールすることにした。それでもどこかから情報が漏れて、街宣先に反対派が待ち受けている。まるで終わりのない、いたちごっこだった。

その一方で、自民党の若手の頑張りが目立っている。

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