希望の党「ドタバタ劇」で笑っているのは誰か 「大山鳴動して安倍さんニンマリ」という現実

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「この問題は交渉で解決する、それが基本だ。しかし万が一、北朝鮮がわが国に対して弾道ミサイルや核、化学兵器で攻撃した場合、どんなことがあってもこの国を守る、それが防衛大臣の仕事だ」

安倍首相は9月26日、菅義偉官房長官と小野寺防衛相に選挙期間中は基本的に東京近郊にとどまり、危機管理に対応することを指示した。これを受けて小野寺防衛相は、投開票の22日まで地元である宮城6区に入らないことを表明。また小野寺防衛相は1994年に米朝間で核を巡って非常な危機があったことを引用し、こう批判している。

「米朝は戦争直前まで行ったことがある。そのときの日本の政権は、細川内閣、羽田内閣、村山内閣だった。いずれも国内政治だけで、北朝鮮対応はまったくできていなかった。このとき、米朝は枠組み合意をしたが、結果的にアメリカは騙された。そして日本は北朝鮮に1000億円以上の支援をした」

過去の日本政府の無策を批判すると同時に、細川政権と羽田政権で与党側にいた小池代表へのあてこすりとも受け取れる発言だった。

共産党「お願いだから総理大臣を辞めてほしい」

一方で野党側も、負けてはいない。同日夕方に渋谷で市民連合主催の街宣が行われた。

「“モリカケなかったことにしてね解散”なんて、認めるわけにはいきません」

日本共産党の小池晃書記局長が声を張り上げてこう言った。今回の衆院選は前回と異なり、共産党にとって順風とはえいない。野党共闘がうまくいっているとはいえず、ジレンマを抱えている。それを払拭するかのように、身ぶり手ぶりを交え、小池書記局長はこうまくしたてた。

「党首討論が行われているが、安倍首相は解散の原因を『共産党の小池さんが解散しろと言ったから』と言った。私の言うことを何でも聞くのなら、お願いだから総理大臣を辞めてほしい」

その政権を問う戦いが、本日火ぶたを切る。投開票日に笑うのはどの党か。いずれにしろ今回の衆議院選は、日本の政治史に大きく記録されることになるだろう。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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