トヨタ「クラウン マジェスタ」の葛藤 レクサスともせめぎ合う“最高峰”、6代目に刷新
新型マジェスタは、燃費をガソリン1リットル当たり18.2キロメートルとして、同8.7キロメートルだった旧型から、ほぼ2倍に向上。直列4気筒で同2500ccのエンジンを積む新型クラウンのロイヤルやアスリートシリーズのHV仕様と比べ、動力性能で余裕を持たせるとともに、乗り心地や静粛性も高めた。
書き出すとキリがないが、ドアミラーで確認しにくい後側方の車両をレーダーで検知してドライバーに注意喚起したり、タイヤの空気圧を自動で表示したりするシステムなど、最新鋭の安全装備を満載。内装には木目を随所に施すなどの工夫で、質感を高めた。車両本体価格は610万~670万円(ロイヤル、アスリートは353万~543万円)。新型マジェスタは、日産自動車の「フーガハイブリッド」やBMW「5シリーズ」、アウディ「A6」などを競合とにらみ、月間500台の販売を目指す。
意外と知られていないが、旧型マジェスタは中国で「クラウン」の車名で売られている。中国では大きめの高級車が求められ、王冠マークが好評という。新型マジェスタを中国へ導入する計画はいまのところないが、将来的にはその可能性はあるかもしれない。
さっそく試乗…不自由はまったく感じず
偶然と幸運の要素が大きいのだが、記者は新型マジェスタに、さっそく試乗する機会を得た。東京都心部を20分ほど移動しただけだが、最高出力292馬力を誇る大排気量エンジンと同200馬力の高出力モーターを組み合わせる余裕の走りは、まったく不自由を感じさせず、アクセルやブレーキを多少乱暴に操作しても挙動を乱すことがない印象だった。
加速はあっという間で追い越しはかなり楽々。全長4.97メートル×全幅1.8メートルとやや大きな車体サイズも、扱いにくくて仕方がない、ということはなくむしろ運転はしやすかった。価格帯を考えれば当然かもしれないが、車としての完成度は高く、素人に少し毛が生えた程度のレベルではアラを探すほうが難しい。