以下はWさんの話です。「やるべきことをやってくれないと、つい厳しく叱っていました。本当は叱りたくないんですけど……。それで、ある日、親野先生が書かれたものをネットニュースで見て、ハッとしました。毎日ガミガミ叱っていると、子どもは自分が愛されていないのではないかと思い始める、と書かれていました。
実はそれについて心当たりがあって、最近子どもが妙によそよそしいというか、前のように素直に甘えてこなくなったように思っていました。そして、『ママ、ぼくのこと好き?』とか聞いてくることがたびたびあったのです。Y太郎にそう言われてハッとしました。『これは何とかしなくちゃ』と思って、先生のブログを読みまくったら、『叱らなくても済む工夫が大事』とか『カード式でやることを見える化』とかが出ていて、『これだ』と思い立ちました」。
見える化の効果は大きい
やることカードを実践したうえで、Wさんは次のように言っています。「やることカードがあると、やるべきことがはっきりわかってとてもいいです。まだやってないカードが残っていると、Y太郎もどうしても目についてすっきりしないみたいで、ぶつぶつ言いながらやり始めます。そういうときは、めちゃ褒めしてます」。
それを聞いて、私は「やはり、見える化の効果は大きいですね。見える化していないと、やらなくても平気でいられるのですが……」と答えました。すると、Wさんが「最近、『お風呂の前に縄跳びをやる』と言って、自分で『縄跳び』というカードを作って追加しました。クラスにライバルがいて負けたくないそうです」と教えてくれました。
やることカードで自己管理する方法がわかってくると、自分で必要だと思ったことをカードにして頑張るようになるという話は、他の方にも聞いたことがあります。親としては本当にうれしいことですね。それで思い出しましたが、冒頭で紹介した千葉県のSさんの息子K君はもう高校生だそうですが、今はホワイトボードに自分でやることを書いたり消したりして自己管理しているそうです。
最後にいくつか付け加えます。やることカードはホワイトボードでなく冷蔵庫に貼るのでも効果があります。また、やることカードをつくるのが面倒だという場合は、やることをホワイトボードに直接書き込むのもいいでしょう。その場合は、やったところにおしゃれなマグネットを貼るなどして、やったかどうかがわかるようにします。
やることカードなどによる「見える化」は、子どもだけでなく大人にも有効です。「腹筋20回」「英語7分」「片づけ5分」「日記」「領収書の整理と入力」など、毎日やることを見える化することで継続が可能になります。頭で「やらなきゃ」と思っているだけだと、つい易きに流れてしまいます。でも、見える化されていると無視できなくなり、行動につながりやすくなります。
やるべきことをやれるようにするために、本連載でもすでに下記の方法を提案してあります。ぜひ、ご参考にしてください。
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