「はやく」と叱らず子を動かす「魔法のカード」 「次にやるべきこと」が一目瞭然になる

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私は教師として長年子どもたちに接してきましたが、その経験で言えるのは、子どもに何らかの行動をやらせたいと思ったら「やることの見える化」がとても大切だということです。というのも、そもそも子どもというものは、「やるべきこと」つまり「大人に『やれ』と言われていること」より、もっとはるかに楽しい「自分がやりたいこと」を優先するのが当たり前だからです。それが子どもというものであり、逆に後者を抑圧して前者を優先する子のほうが心配なくらいです。

つまり、「自分はこれをやりたい」という主体性やガッツが少ないのではないか? 親や先生の気持ちを忖度(そんたく)しすぎて、自分の人生が展開できなくなるのではないか? こういう心配があるのです。

時間帯の行動をそれぞれ見える化

あと2つ、実践例を紹介します。Mさんの家ではA3のホワイトボードを3つ用意して、朝、帰宅後、夜の3つの時間帯の行動をそれぞれ見える化しています。

朝のやることカードは「洗顔・手洗い」「うがいしてから水を飲む」「食べたら歯みがき」「うんち」「着がえ」「忘れ物チェック」の6枚です。写真ではなく、マグネットシートに文字で書いてあります。そして、ホワイトボードの真ん中にビニールテープを縦に1本貼ってあります。ホワイトボードの左側に6枚のやることカードを貼り、やったら右側に移します。やってないのは左側に残りますので、次にやるべきことが一目瞭然です。次の日は、やることカードを右側から左側に移します。

帰宅後のやることカードは「プリントを出す」「宿題の準備」「宿題」「明日の仕度」「フルートの練習」「○○○○(通信教材)」の6枚で、夜のやることカードは「片づけ」「予定帳を見せる」「本読みカードをランドセルに入れる」「明日の服を用意」「目覚まし時計をオンにする」の5枚です。

次は東京都のWさんです。Wさんには小学2年生のY太郎君という男の子がいます。Wさんのやり方はとてもシンプルです。

1.90cm×60cmのホワイトボードを縦に置き、真ん中にビニールテープを貼り、左と右に分ける
2.やることカードは横書きで、帰宅後から寝るまでにやるべきことを書く
3.やることカードをやる順番でホワイトボードの左側に貼る
4.やったらカードを右に移す
5.次の日は右から左に移す

 

やることカードの内容は次のようなものです。「うがい・手洗い」「靴下を洗濯機に入れる」「ランドセルの中身を箱に出す」「お便りをママの席に置く」「給食袋を出す」「宿題の準備をする」「宿題」「片づけ」「明日の準備」「予定帳をママに渡す」「食べたら歯を磨く」「お風呂」「胡蝶蘭に水やり」「明日の服を出す」「うがいとくちすすぎ」です。

やる順番に貼るので、いちばん上は「うがい・手洗い」でいちばん下が「うがい・くちすすぎ」です。つまり、寝る前にもうがいをして寝るわけです。最近、口腔ケアの重要さが指摘されているので、子どものうちからこういう習慣をつけるのはとてもいいことですね。1日が終わって寝るときは、カードがすべて右側に移っています。ですから、先のMさんと同じく次の日は右から左に移すようになります。

Wさんは、Y太郎君が幼稚園のころはそれほどではなかったのですが、小学校に入学したころからガミガミ叱ることが増えました。でも、このカードでそれが減ったそうです。

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