デキる人は「他人は別の惑星の人だ」と考える ドイツ人が、自分に誇りを持てるワケ

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私の働いていたメッツラー社にも、さまざまな働き方の同僚たちがいました。フルタイム勤務の人もいれば、男性であっても15時ぐらいに帰ってしまう人もいる。週休3日で働く人もいれば、小さい子どもがいるからと在宅勤務でほとんど会社に顔を見せない人もいる。男性で育児休暇を取る人もいました。しかも、週休3日の女性はチームのリーダーです。

私はそういう環境で働くうちに、「仕事の回し方は1つではないのだな」と学びました。自分に与えられた仕事をこなし、成果につなげれば、働き方については相当柔軟に考えることができるのです。

そのようにドイツ人が多様な働き方を受け入れているのは、「人は人、自分は自分」という意識が強いからだと思います。それは自分の人生を生きているということでもあります。

自分の人生を第一に考えているから、働くことに対しても客観視ができている。問答無用で仕事を優先させるのではなく、「その仕事を本当に自分がすべきなのか」とまず考えてから決断するのです。

「同調圧力」から抜け出そう

日本ではどうでしょうか。「人は人、自分は自分」と考えられるようになれば、人からどう思われようと気にならなくなります。同時に、どんな人のことも受け入れられるでしょう。

日本では世間体を強く気にする傾向がありますが、それは「人は人、自分は自分」ではなく、世間の判断基準に自分を合わせるということになります。つまり、自分軸を持たず、いかに人と同じであるかを考えるのです。

『仕事の「生産性」はドイツ人に学べ 「効率」が上がる、「休日」が増える』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

その傾向が強くなると、「同調圧力」が生まれます。右へならえと言われたら、みんなで右に合わせないといけない。みんなが残業をしていたら、自分だけが定時で上がるわけにはいかないという空気も、同調圧力から生まれます。

もし、皆さんが他人の人生ではなく、自分の人生を生きたいと考えているのなら、同調圧力から抜け出すのがその第一歩です。ドイツ人の生き方はそのための参考になります。

働くことを考えることは、「自分の人生」を考えることになります。生産性を上げて自分の時間を確保できれば、人生をより大切にできるのではないでしょうか。

隅田 貫 メッツラー・アセットマネジメント シニアアドバイザー

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すみた かん / Kan Sumita

1959年、京都生まれ。1982年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、MUFG(旧東京銀行)に入行。3回(計10年以上)にわたるドイツ・フランクフルト勤務を経て、2005年よりドイツ地場老舗プライベートバンクであるメッツラー・グループ(Metzler Asset Management、1674年創業)フランクフルト本社で日系機関投資家を対象とした投資顧問業務を担当。本社唯一の日本人として日独企業風土の本質及びその違いを見る目を養う。20年にわたるドイツ勤務経験を活かし、日独産業協会(NPO)特別顧問として日独経済人の懸け橋として尽力。

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