こういった「納屋物」を手に入れたオーナーはそれをどのように楽しむのであろうか?
レストアする? それともそのまま楽しむ?
一つには数千万円をかけてレストアするという考え方があるだろう。レストアが完成した暁には有名コンクールイベントに出展し、お墨付きを得た後に、自身で楽しむのもよし、売却するもよし。もう一つは、そのまま「納屋物」として保管し、楽しむという選択肢だ。自宅のガレージにそのままの状態でディスプレーするのもよし、機械部分だけをレストアしボディはそのままで走行可能なように仕上げるという手もある。
「フェラーリの旧車が『億円単位』で売れる理由」(2016年1月12日配信)にも書いたように、2015年2月にフランスで開かれたクラシックカーのオークションでも、塗装も剝がれ、ボディも傷だらけだったにもかかわらず、1961年製の250 GT SWBカリフォルニア スパイダーが約21億円という、とんでもない価格で取引された。
これは何十年もの間、フランスの片田舎の納屋に忘れ去られ、ホコリがうず高く積もった状態で発見された59台のコレクションのうちの1台だ。その中のもう一台、1956年マセラティA6G2000を2億円近くで落札した建築家のジョナサン・セガール氏は、今年のイタリア コモ湖畔で開催された有名コンクールイベントにこのクルマを”ボロボロ”の状態で出展した。彼はこのように語ってくれた。
「私は単にクルマを手に入れただけでなく、すばらしい歴史を手に入れたことができたと考え、大いに満足しています。入手後に軽い整備をしただけでこのマセラティはパワフルな走りを見せてくれました。実際に走るとき、タイヤだけは替えましたけどね」
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