東芝メモリ売却、WDが議決権を全面放棄か

新「日米連合」が優勢になっている模様

一方、WDは今年5月、同意のないTMCの売却に反対し、国際商業会議所の国際仲裁裁判所に売却差し止めを申請。WDの主張が仲裁裁判所に認められた場合、TMCの買収が無効になるリスクを敬遠して、INCJとDBJが東芝に対し、最終契約はできないと主張し、交渉はストップしていた。

このためベインとSK陣営は、WDとの係争が決着するまでの間、INCJとDBJが出資を見送り、代わりに米アップル<AAPL.O>などTMCの顧客企業が6000億円近い資金拠出するスキームを東芝側に提案。前週13日にはベイン・SK陣営との交渉を加速する覚書を交わした。

だが、東芝がベイン・SKと契約した場合は、WDが訴訟を継続し、TMCの売却が無効になるリスクが続くことについて、INCJが問題視するスタンスを変えなかった。INCJを所管する経済産業省の担当幹部もこうした姿勢を支持したもようで、INCJはWDが買収スキームには加わらない形の提案を行い、日米韓連合優位の流れを逆転した。

ウエスタンデジタルへの強い警戒感

東芝の一部経営陣には、WDに対する警戒感が根強く、将来の出資比率も含め、交渉はギリギリまで行われるとみられる。

新提案に対し、INCJは「コメントを控える」(広報担当)としている。

東芝とSKハイニックスのコメントは得られていない。また、WDは回答を控えた。

(浜田健太郎、布施太郎、山崎牧子、編集:田巻一彦)

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