ジーユー「超ハイテク店舗」はこんなにスゴい 在庫やレビューなど、便利な情報を客に提供

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ICタグには「ゴマ粒チップ」とも呼ばれる0.5ミリメートル四方の極小メモリチップが搭載されている。その周囲には電波を送受信するインレットと呼ばれるアンテナがあり、それらをシールにして一般的なタグの上に張り付けている。 リーダーと呼ばれる機械から電波を送ると、インレットがその電波を受信し、チップに電気が流れる。するとチップが動作し、メモリ内の情報をリーダーに返信するという仕組みだ(取材を基に本誌作成)

ジーユーは世界的にも一歩リードした取り組み

今後さらに、RFIDの導入が進むことは間違いない。2017年4月には経済産業省がコンビニ各社とともに「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を発表し、2025年までにコンビニの全商品(推計年間1000億個)の電子タグ導入を進め、商品の個品管理を実現するとしている。

この取り組みでは、レジ・検品・棚卸業務の高速化や防犯ゲートを用いた万引きの防止、食品ロス削減など、さまざまな効果が期待される。メーカーや卸とも情報を共有し、配送面についても効率化が進みそうだ。

これまで、RFIDは海外を中心に拡大し、在庫管理のみ、販売店での利用のみといった例が多く、包括的な活用はあまりされてこなかった。NXP セミコンダクターズでマーケティングを統括するカート・ビショフ氏は「RFID市場において日本は遅れていた。しかし、ジーユーの例は世界的に見ても一歩リードしている」と語る。

商品を管理する役割だけでなく、ジーユーのようにサービスの拡大や進化につながる工夫が広がることで、今後の小売りの現場は大きく変わっていくだろう。

藤原 宏成 東洋経済 記者

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ふじわら ひろなる / Hironaru Fujiwara

1994年生まれ、静岡県浜松市出身。2017年、早稲田大学商学部卒、東洋経済新報社入社。学生時代は、ゼミで金融、サークルで広告を研究。銀行など金融業界を担当。

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