ダンロップ、世界的ゴルフブランドへの一手 松山英樹が使う「スリクソン」との微妙な関係
研究開発については、企業規模が大きくなれば人や物の十分な投入がしやすくなる。また、資金力については、たとえば大きなM&A案件があった場合に、検討の余地が広がる。ブランド力についても「ダンロップ」というブランド力をタイヤ事業とゴルフ事業で区別なく活用できるほうが、知名度向上などの施策を効率的に進められるはずだ。
ただ、池田社長はこの点について「ゴルフに関しては、メインブランドである、ゼクシオ、スリクソン、クリーブランドゴルフを伸ばしていく方向性に変わりない」とも述べた。
「ダンロップ」ブランド投入の可能性
しかし、それだけではダンロップスポーツを吸収合併した効果を最大化するという観点からは物足りない。本当にゴルフ分野で「ダンロップ」ブランドの商品を投入しないのか。この疑問をダンロップスポーツの木滑和生社長に直撃すると、「当面はゼクシオ、スリクソン、クリーブランドゴルフを商品ブランドとして使い続ける。ただし、世の中を動かすことができる画期的な新商品ができたときに、『ダンロップ』ブランドで投入する可能性がある」との答えだった。
今回の統合で研究開発に勢いがつき、画期的な新商品がゴルフ用品に投入されることを期待したい。「ダンロップ」ブランドのクラブやボールの新商品が発売されたときに、住友ゴムによるダンロップスポーツの吸収合併のメリットが、一般ゴルファーのところにまで届く、ということになるのかもしれない。
米国PGAツアーで活躍する松山英樹選手のキャップのロゴが「スリクソン」から「ダンロップ」に変わる日は来るのか。タイヤも含めた「ダンロップ」ブランド全体の今後の価値を考えるうえでも、大きな決断になる。
(文中一部敬称略)
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