中国・王毅外相の発言が北朝鮮を挑発した

金正恩向け「裏メッセージ」発信が不覚

中国・王毅外相の発言が北朝鮮を挑発している可能性がある。北京で8月撮影(写真:ロイター/CHINA DAILY)

北朝鮮が9月3日に強行した核実験は、同国史上最も強力な水爆というのが定説となっている。その実験のわずか5日前に日本の上空を通過する弾道ミサイルを発射したばかり。北朝鮮による挑発はエスカレートする一方である。

その北朝鮮による脅威の高まりと、米国はじめ主要国のいらだちが高まる状況下で、北朝鮮に対する主要国の対応はちぐはぐになっている。圧力強化を主張する日米と、対話を求める韓国や中ロとの足並みはそろわず、むしろその亀裂は深まる懸念さえある。

「中国は北朝鮮に影響力を持っていない」

この連載の一覧はこちら

特に筆者が懸念しているのは、中国に対する米国のいらだちの高まりだ。ここへきてドナルド・トランプ米大統領が、「対中貿易停止」などの強硬手段も辞さずという、いわば「怒りの方向性」を見せているのは、米国のいらだちが高じたものだ。

この米国のいらだちについて、筆者がかねて気になっているのは、中国の王毅外相の発言だ。王氏は「中国は北朝鮮に影響力を持っていない」という趣旨の発言を徹底して繰り返している。その発言は、4月の米中首脳会談の前からだが、その後も欧米メディアに向けて連発している。

トランプ大統領は、北朝鮮による核・ミサイル開発の停止に向けて、強い圧力をかけるよう、中国の習近平国家主席に直談判で迫った。習氏もそれに応じているようだが、一向にその効果が上がらない。ただ、習氏は王氏と同じ政治感覚での発言はしていない。

次ページ世界の常識に照らし合わせて考えるなら…
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • おとなたちには、わからない
  • 野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」
  • 日本野球の今そこにある危機
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
改正対応待ったなし!<br>働き方と仕事の法律

同一労働同一賃金の本格化、中小企業でのパワハラ防止対策の義務化など、今年は重要な改正法の施行が目白押し。2022年に施行される法律の要点に加え、昨年の4月に施行された改正民法も総点検。改正ラッシュへの備えを万全にするための法律虎の巻です。

  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT