貧困や虐待に苦しむ子をどうしたら救えるか 理解してくれる大人と社会の受容が孤立防ぐ

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:今まで1年やってきた中で、よくできたこと、これは次に向けての課題だなという部分をそれぞれ教えていただけますか?

小澤:そうですね。「コミュニティーユースワーカー」だけがソリューションじゃなく、ほかの資源とちゃんとネットワークされていくことが大切だと感じています。また、子供を取り巻く環境の中で、「コミュニティーユースワーカー」が何をしたら一番いいのかということが見えてきたのが良かったところだと思います。課題としては、専門機関とやっていきましょうという時に、公的機関と組織とでやっていく時の壁っていうものがあって。

荒井:まだ実績もない団体だったりするので、担当者レベルとかでは顔がつながっているので紹介してくれるというケースもあります。組織同士のオフィシャルな行政との連携というところは来年度見えそうなところはあるんですけど、そこがなかなか作れてこれなかったからこそ、行政との連携はハードルが高かったなと。

小澤:こういう場を作ってくださいという受託の仕方じゃなくて、かなり自由に動き回りながら子供達のニーズを把握したりいろんなところにつなぐ人という位置付けが、(行政には)そんなにないんですよね。新しくそのポジションを作っていきながら連携していくというのはおもしろいですけど、新しいものを作るというのは前例がないと難しいので。また、子供の周りに実はいろんな支援があるんですけど、その支援同士がつながっていないという課題は結構あるんですよね。

:行政のほうも、中間的なアクションがあるんだということを知っていれば、もうちょっと連携して補足しながら、情報を聞き取るなど細かい支援につなげていけたんじゃないかと。

小澤:でも同時に、ちゃんと伝えていかなければ、知らないままになってしまう必要なことってあると思うので、こっちからどれだけつながっていけるかがすごく大事だなと。

日常的な関わりを支援の枠組みに

:次のタームでPIECESのやっていきたいこと、一言ずついただけますか? こんな団体にしたい、こんな活動をしたいなど。

小澤:そうですね、大きく分けると3つあって。

1つは、質は担保しながら、より広く「コミュニティユースワーカー」を育成し、他機関、組織と連携することで、ほかの地域にも応用可能なモデルを作っていきたいということ。そして、子供に興味があるという方たちだけでない、違う分野の人たちのネットワークを広げ、行動変容を促すことで、子供が育つ環境に関わる新しい「縁」を作っていきたいというのが2つ目。また、医療や専門家の分野に既にある知を、予防的な視点で社会に実装していけるように工夫をしていきたいというのが3つ目です。

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