貧困や虐待に苦しむ子をどうしたら救えるか 理解してくれる大人と社会の受容が孤立防ぐ

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小澤:ほかの子も、「次の絵、楽しみにしてる」と言い合ったり。

荒井:横のつながりもできたり。

小澤:あんなにコミュニケーションが苦手で人と話したくないって言ってた子が、気づいたら自分で、周りに話しかけに行ってる。

荒井:目的を1つにしちゃうと、そこからはじかれる子がいられなくなるというのがあるので、目的を複数に持つということを大事にしていて。この子はこれこれの目的を持っている、この子はこういう目的でいる、というのをいかに共存させるかというのを場の設計としてやっていて。

プログラミングなんですけど、プログラミングを勉強する子はあまりいなくて、アナログゲームをやっていたり、ストーリーが考えるのが得意な子がいたり、絵を描くのが得意な子がいたり、音楽を作ってる子がいたり。

それをいかに合わせてチームにして居場所を持たせるか、役割を持たせるかというのをこっち側で設計をして。ちゃんと安心できるように、安心を阻害するコミュニケーションとか要因を極力なくすように、意思疎通を取って場を設計しているので。安心安全があった上で役割がちゃんとあるからこそみんな来れるんじゃないかなと思っています。

小さな関わり合いの積み重ねの中で、自信を培っていく

:紹介できる範囲で、この1年を振り返って、残しておきたいストーリーはありましたか?

小澤:学校には行っているけれど学校がしんどいという子の中には、集団が苦手だったり、コミュニケーションが苦手だったり、なんらかのいじめにあって自信を失っていたりする子がいるんですね。

そんな子がここに来た時に、例えば、その子が物語を考えるのが好きだとしたら、その子が考える物語を「面白いね!」と真剣に聞く人がいて。「このそのストーリー何かに活かせるよね」ってみんなで楽しみながら真剣に考えて。小さな関わり合いの積み重ねの中で、少しずつ自信を培っていっています。

その子、ゲームのストーリーを考えてくれているんですけど、動物のあったかい、優しいストーリーから、インベーダーゲームのストーリーまで、幅広いストーリーを生み出していて、すごいんですよ。ほかの子の絵や話にヒントを得ながら、ストーリーをどんどん展開、発展させていけるんですよね。

周りにはわかってもらえないかも、どうせ理解されないと思っていた物語にほかの人が真剣に耳を傾けているって、その子にとっては初めての体験だったんです。最近、自分のことがちょっとだけ好きになったって話してくれました。

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