伝統文化で大阪を活性化へ、キタに続きミナミでも寄席が復活

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 キタからミナミへ。大阪で伝統文化復活の動きが波及した。

上方演芸ゆかりの地として知られる大阪・ミナミの法善寺に落語などの寄席がよみがえることが決まった。法善寺では明治期以降2つの寄席が集客を競い合ったが、昭和期に消滅。今回、地元商店街や関西演芸協会が地域活性化を狙って法善寺に話を持ちかけたところ、早ければ来年4月に88席の常設小屋が建設されることが決まった。復活は実に65年ぶり。

法善寺が参考にするのは、大成功を収めているキタの「繁昌亭」だ。戦災に遭い姿を消していた繁昌亭が2006年9月に復活したところ、連日の超満員に。落語家入門講座など数々の仕掛けが奏功。上方落語を題材にしたNHKの連続テレビ小説「ちりとてちん」も追い風となった。今年7月には来場者が早くも30万人を突破。「ここまでの活況は考えていなかった」と責任者の恩田雅和氏は話す。

繁昌亭は観光名所として旅行会社のツアーに組まれることも少なくない。北海道から九州まで全国各地から客が押し寄せ、地元商店街にもカネを落としていく。開席後1年間で地元への経済波及効果は116億円に上った、との試算もある。

法善寺の神田真英副住職は「ミナミを伝統文化で盛り上げたい」と語る。キタに続くことができるか、“笑い”の行方に注目だ。

(梅咲恵司 =週刊東洋経済))

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