これに対して北総線は、遅々とした歩みながら工事が進められた。当初の計画区間である京成高砂―小室間は、1979年から1991年にかけて開業。小室以東も北千葉線の計画を引き継ぐ形で順次延伸され、1984年から2000年にかけて小室―印旛日本医大間が開業した。さらに2010年、北総線を成田空港に延伸する成田スカイアクセスが開業し、現在に至っている。
この結果、千葉ニュータウン内の鉄道用地は小室―千葉ニュータウン中央間を境に、西側の北千葉線用地と東側の成田新幹線用地が残った。これらの用地は、北総線・成田スカイアクセスの線路脇。しかも周辺の商業・住宅用地より一段低い掘割状になっていて、他の用途には転用しにくい。千葉県は活用策を見いだせないまま、長年放置するしかなかった。
メガソーラーの「延伸」は?
メガソーラーの整備構想が浮上したのは2014年のことだ。「成田スカイアクセスの開業で新幹線建設の芽はなくなった」(千葉県関係者)こともあり、千葉県は成田新幹線の用地を使ったメガソーラーの設置・運営業者を募集。2016年4月に着工し、成田新幹線の正式中止から30年が過ぎた今年7月15日、運転を開始した。
メガソーラーの最適地とは言い難いが、何にも使わずに放置しておくよりはベターな選択だろう。土地の賃借料は1平方メートルあたり年額180円で、千葉県の収入も増える。それにしても、電気を消費する高速列車が走るはずだった土地に電気を生み出す施設が整備されるとは、どういう皮肉だろう。
こうなると、残る北千葉線の用地をどうするのかも気になるところだ。しかし、具体的に何を整備するかは何も決まっていない状態という。道路など別の施設が整備されることになるのか。それとも、国内最長のメガソーラーが「延伸」されることになるのだろうか。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら