欧州の食堂車、日本の観光列車とは大違い カレーライスが2300円の列車もある

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ハンガリー国鉄が運行する「ハンガリア号」の食堂車。造りがなんともレトロ調(撮影:欧州在住・遠藤氏)

日本では観光列車に乗る以外、体験できなくなった食堂車での食事。一方、欧州では今冬お目見えする新型車両にも食堂車が設けられ、今もなお「列車旅の楽しみのひとつ」として人々に親しまれている。

食堂車はどんな列車に組み込まれているのだろうか。ドイツのICEをはじめ、フランスのTGV、イタリアのフレッチャロッサなど各国を代表するハイスピードトレインはもとより、国をまたいで走る「ユーロシティ(EC)」、そして同一国内だけを走る「インターシティ(IC)」など、いわゆる特急タイプ以上の優等列車にはたいてい連結されている。もっとも設備のレベルには若干の差があり、街中にある一般的な飲食店と同様にいすとテーブルが設置されている車両を「レストランカー」、立ち席スタイルで食べたり飲んだりする車両を「ビストロカー」や「ビュッフェカー」と呼んでいる。

欧州の駅にももちろんサンドイッチなどスナックが買える売店やファストフード店が設けられているが、食堂車やビュッフェカーのおかげで車窓の風景とともに温かい料理が食べられるのは、日本と大きく異なる列車旅の醍醐味だろう。

国ごとに特色あるメニュー

欧州各国の鉄道は、国ごとに違う車両が走っているが、それと同様に食堂車などの設備やメニュー、そして価格もそれぞれ異なっている。言い換えれば、国ごとの特色あるメニューが車内で楽しめるというわけだ。また、車内の限られたスペースでの食材保管や調理といった悪条件があるにもかかわらず、メニューの種類は意外とバラエティに富んでいる。

たとえばICEでは、ドイツ名物のソーセージを筆頭に、牛肉のシチューやパスタなどが供される。一方、TGVではバケットのサンドイッチのほか、できたて熱々のクロックムッシュ(パンにハムとチーズを挟んで焼いたもの)もあり、本場のチーズやハムのおいしさが存分に楽しめる。一方、イタリアではしっかりトーストされたパニーニが食べられる。

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