「東京メトロ」上場に向け必要な施策は何か

都営との乗り継ぎ改善はどう進める?

都内を中心に195㎞の路線網を有する東京メトロ(撮影:梅谷秀司)

東京メトロは、営業キロ195.1km、駅数179駅の路線ネットワークを有し、2766両の保有車両により1日平均724万人(2016年度)の旅客を輸送している。2016年度の乗車効率は52.0%をマークし、東京急行電鉄の51.6%を抜いて大手私鉄16社でトップとなった。

2016年度連結決算を見ると、売上高4154.13億円、当期純利益622.56億円、総資産1兆4519.01億円、自己資本当期純利益率11.1%、自己資本比率40.4%と、安定した財務内容を誇る。東京都区部を中心とする路線ネットワークを基盤とした安定的な運輸収入はもちろんのこと、駅ナカビジネスを中心とする関連事業でも高いポテンシャルを有している。

さらなる企業価値向上に必要なのは

『東京メトログループ中期経営計画 東京メトロプラン2018~「安心の提供」と「成長への挑戦」~』では、2016~2018年度の連結キャッシュフロー(当期純利益+減価償却費。以下、連結CF)目標額は3980億円に設定されている。

2016年度の当期純利益622.56億円と減価償却費698.96億円を合わせた連結CFは1321.52億円である。2017~2019年度の連結CFが毎年度同額で推移した場合、3年間の連結CF合計は3964.56億円となる。経営が順調に運べば、目標額達成は可能とみてよいだろう。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けたインバウンド客の増加による売り上げ・利益の成長と、車両更新やホームドア設置などに伴う設備投資増による減価償却費の増加を前提とすると、次の経営計画では、もう一段成長した連結CF数値の提示が期待される。連結CFの増加は、企業価値向上に結び付くからである。

そして、企業価値向上を図るためには、新規顧客開拓と、サービス向上による顧客満足度の向上を通じたリピーター確保を図ることが不可欠である。また、関連事業の強化を図ることも重要である。

次ページ顧客満足度向上、まずは「運賃制度」から
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