黒字鉄道にも災害復旧補助「法改正案」の中身

被災路線が赤字なら国の補助対象に

上下分離・公有民営方式での復旧が決まった只見線。黒字のJR東日本の路線ゆえ、法律上、これまで国の補助金を入れることができなかった(筆者撮影)

2017年2月に公表した私の記事「豪雨災害で6年不通『只見線』復活への道のり」で紹介した、自民党議員連盟による鉄道軌道整備法の改正案が、8月1日に開かれた自民党国土交通部会で了承された。議員立法により秋の臨時国会に提出され、可決成立が目指される予定である。

黒字会社の路線も復旧補助対象に

この改正法案が成立すると、JR東日本など黒字の鉄道事業者が運行していた路線であっても、災害による線路などの設備の破損、運行不能の事態に対する、国からの災害復旧事業費の交付が可能となる。株式を上場している鉄道事業者にとっては、株主への説明責任が生じる、利益の圧縮につながる大きな復旧費負担が軽減されることになる。

被災前の採算性の悪さから、鉄道事業者の自己負担による復旧が躊躇されるローカル鉄道であっても、地元自治体の支援を受けたうえでの「復活」の可能性も高まる。

現行法の補助要件は、「収益が厳しい事業者に限る」「復旧費が運営収入の1割以上であること」「被災路線の収入では復旧費用の回収が困難であること」となっているが、改正案ではまずこれが緩和される。「激甚災害に準ずる大規模災害」によって被災した路線については、当該路線が過去3年間赤字であれば、全体収支が黒字の鉄道事業者の路線であっても補助の対象となる。

次ページ「復興格差」の解消につながるか
鉄道最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • スージー鈴木の「月間エンタメ大賞」
  • この新車、買うならどのグレード?
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • ポストコロナの明るい社会保障改革
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
スペシャルインタビュー<br>元ラグビー日本代表・畠山健介

今年から米メジャーリーグ・ラグビーのチームに所属、華やかな選手生活とは裏腹に幾多の葛藤を乗り越えてきた畠山選手。「ラグビーファンの拡大には、リーグのプロ化が不可欠だ」。新天地にいる今だから見えてきた日本ラグビー改革論を熱く語ります。