「給料が安い」と嘆く人は需給がわかってない モノの値段が決まる仕組みを知っていますか
高橋:結局、恋愛も経済活動も同じで、ライバルがいない土俵で戦ったほうがいい。自分の土俵に上げるために立てるのが戦略。戦略も価格のメカニズムに影響を与える要因の一つ。モノの値段が決まるしくみは知ってる?
経子:知ってますよ! 需要と供給のなんちゃらですよね!
お給料の額も需要と供給で決まる
高橋:そうそう。そのなんちゃら(笑)。そもそも、あらゆるモノに「市場」がある。自分がモノっていうのは違和感があるかもしれないけど、労働力を提供しておカネを得るんだから、市場で売買していると言える。実際、労働市場とか、転職市場って言うでしょ。
経子:お給料の額も需要と供給で決まるってこと?
高橋:そのとおり。まずはわかりやすくモノで考えてみよう。経子さんは、販売を担当してるの?
経子:はい。子ども部屋のインテリア担当です。
高橋:じゃあ、学習机で考えてみよう。ある1つの学習机をイメージして。
経子:はい。
高橋:同じ商品でも、それにいくらまで出せるかは、人によって違うよね。ある人は10万円でも欲しいだろうし、9万円ならと考える人もいる。1万円だったら買う人もいるだろう。当たり前だけど、みんな安く買いたいから、安くなればなるほど買いたい人は増える。売れる個数が増えるってことだね。だから、価格をタテ軸に、数量をヨコ軸に置くと、買いたい人の数は右肩下がりの線になる。
経子:この線が需要でしたっけ?
高橋:そう。需要曲線(Demand)だね。じゃあ、逆に学習机を売りたい人はどうだろうか。経子さんは売る側だから、できるだけ高く売りたいでしょ?
経子:そりゃ、そうですよ。
高橋:高く売ったほうが儲けが出るからね。ただ、なかには「1万円で売ってもいい」という店もあるかもしれない。2万円、3万円、とだんだん高くなるにつれ、売りたい店も増えていくはずだ。だから、売りたい人は右肩上がりの線になる。これが供給曲線(Supply)。
経子:そういえば、メーカーのことをサプライヤーって呼ぶことがありますね。
高橋:サプライヤーは供給元っていう意味。お店からするとメーカーがサプライヤーになるけど、メーカーからすると部品メーカーがサプライヤーだったりする。ところで、この需要曲線と供給曲線が交わる点はなんだか知ってる?
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