「給料が安い」と嘆く人は需給がわかってない

モノの値段が決まる仕組みを知っていますか

高橋:そうそう。価格変動は、「需要が動く」と「供給が動く」の2つの原因があるってこと。現実では、どちらか一方が動くことはなくて、両方が動くんだ。このしくみを利用して、価格調整をしていることもあるよ。たとえば、そうだな……。

経子:作り過ぎたキャベツを潰して値段を保つとか?

高橋:ああ、農産物ではよく行われているね。似たようなことはほかの業界でも行っていて、人気を保つために、わざと供給量を抑えることはよくある。欲しい気持ちをわざとかき立てるんだね。あとは、人気アイドルのコンサートチケットも供給量が少なくて値段が上がるよな。

経子:アーティストの?

高橋:オークションで高値がついて転売が問題になってるとかさ、ニュースになってるでしょ。コンサートの回数は決まっているから、自然と供給量が限られていると言える。いつも手に入るチケットなら、高値はつかないでしょ。好きなアーティストはいる?

経子:そりゃあ、いますよ!

高橋:定価が1万円として、いくらまでなら出そうと思う?

経子:3万円ぐらいなら行きたいなあ。さすがに10万円となると……。

高橋:ははは。平均的なファンだね(笑)。そういう人がいちばん多いらしいよ。でも、3万円くらいならと思う人が多いということは、本来は3万円が適正価格なんだよ。でも、定価がそれより安いから欲しい人が殺到して、手に入りづらいチケットになってるんだね。もし、興行側が今の割安な価格で販売したいなら、コンサートの回数を増やす、供給量を増やす
しかないね。

希少価値はどうすれば上がる?

経子:でも、価格の変動が私の給料とどう関係あるんですか?

高橋:「転職市場」「労働市場」と言うように、人も労働力というサービスを提供している側だって言ったでしょ。市場は需要と供給が出合う場所、つまり買い手と売り手が出会って、価格が決まる場所。その市場で希少価値が上がれば、当然雇いたい人、つまり経子さんを買いたい人が増えて、給料は上がる。アーティストのチケットと同じだよ。

経子:希少価値ってどうすれば上がるんですか?

高橋:その前にひとつ聞くけど、どうして会社の経営状態が悪くなってるの?

大将:値段は高いけど、商品はいい会社だよねぇ。

経子:まさに、そこがアダになってるんです。最近は海外の大型店や格安ショップがはやってるし、ネットで買う人も増えてるので……。

大将:あぁ、確かに。でも、安い店とは客層が違うんじゃないの?

経子:庶民にも手が届く程度の”ちょい高級レベル”で、超高級店じゃないから中途半端なんだよね。

高橋:根本的な会社の戦略に問題があるなら、転職したほうが手っ取り早いと思うけどね?

経子:そんな簡単な話じゃないですよ。インテリアの仕事は昔からのあこがれだったんですから。

高橋:そんなこと言っても、本音は転職しても今以上に稼げる自信がないからでしょ。なんでスキルを付けて転職しないの?

経子:スキルって何ですか? 英語とか? 外国のお客様に対応するときは、「もっと英語ができるといいなぁ」と思いますけど……。

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