「関西大手私鉄」朝のノロノロ運転ランキング ワースト1位の速度は自転車並み

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各社・各線の列車を比較した結果、「遅い列車」1位は表定速度21.9km/hの阪神本線普通列車。以下、2位は南海高野線の各駅停車(表定速度22.4km/h)、3位は南海本線の普通(24.6km/h)、4位は阪神なんば線の普通(27.5km/h)、5位は近鉄難波線・奈良線の普通(28.1km/h)の順となった。

優等列車でもっとも表定速度が低いのは阪神なんば線の準急(28.9km/h)だが、同線内は全駅に停車するため、通過駅のある列車でもっとも遅かったのは南海本線の準急(31.4km/h)。次いで京阪本線の通勤準急(31.9km/h)、京阪本線・中之島線の通勤準急(32.6km/h)の順となった。

関東編のときも感じたが、こうして朝のラッシュ時における遅い列車を調べていくと、各社の乗客輸送に対する工夫が垣間見られて興味深い。特に、ターミナルに近い駅の扱いの悩ましさだ。

郊外からやってくる乗客をより速く目的地に送り届けるためにはできるだけ通過させたいのだろうが、もちろんそういった駅にも乗客はいるわけで、そちらも運ばなければならない。その点では南海線における普通と各駅停車の使い分けは絶妙だ。筆者は関東在住ということもあり数回しか乗ったことがなく、しかもそのときはまったく意識しなかった。機会があれば、高野線の萩ノ茶屋駅、今宮戎駅に降り立ってみたいと思った。

東良 美季 ライター

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とうら みき / Miki Tohra

1958年生まれ。カメラマン、音楽PVディレクター、グラフィックデザイナーを経て現職。共著に『新幹線、国道1号を走る』(交通新聞社新書)。

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