「関西大手私鉄」朝のノロノロ運転ランキング ワースト1位の速度は自転車並み

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阪神電気鉄道(阪神)に行こう。阪神本線(元町―梅田・32.1km)は6時台~8時台の間、直通特急と普通がほぼ5分ごとに交互に発車。32.1kmと短い距離だが、最も遅い普通は所要時間が88分もかかり、表定速度21.9km/hとここまでで最低記録が出た。なぜこれほど時間がかかるかというと、途中の御影で6分、西宮で8分、尼崎センタープール前で6分、千船で6分など途中駅で長く停車し、優等列車との接続や通過待ちなどを行うためだ。

もう1つの路線はさらに短い阪神なんば線(尼崎―大阪難波)の10.1km。こちらも7時台、8時台と、快速急行と普通がほぼ交互に運行。最も遅い普通は所要時間22分、表定速度27.5km/h。平日の朝7時台には準急が1本だけあるが、同線内は各駅停車のため所要時間は21分と普通とほとんど変わらず、表定速度は28.9km/hだ。

阪急神戸線は普通も速い

さて最後は阪急電鉄(阪急)。まずは宝塚線(宝塚―梅田・24.5km)からだ。途中にある駅は17駅だが、準急の停車駅は14駅、急行も11駅と、優等列車もそれほど停車駅が少ないわけではない。急行は宝塚から10駅先の豊中まで、準急はさらに2つ先の曽根まで各駅に停まるためだ。それでも普通はやはり遅く、7時02分発、19分発ともに所要時間50分、表定速度は29.4km/hだ。

神戸線(神戸三宮―梅田・32.3km)は、「『朝』の関西大手私鉄、一番速い列車はどれだ」の記事で、ワンツーフィニッシュだった関西大手私鉄で最も表定速度が高い路線。朝6時~8時台に走っているのは快速急行・特急・通勤特急・通勤急行・普通で、優等列車の主力は特急と通勤特急だ。

優等列車の速さが際立つ路線だが、普通列車も充実している。神戸三宮から7つ目の夙川までは通勤急行も各駅に停車して普通の役割を兼ねる一方、普通列車も6時台に5本、7時台に4本、8時台に至っては8本(うち2本は西宮北口行き)ある。また、最も遅い普通でも所要時間57分、表定速度34.0km/hとやはり速い。非常に利便性の高い路線であることがわかる。

最後の最後は阪急京都線(河原町―梅田・47.7km)。こちらも快速急行、通勤特急、準急と各種優等列車がある中、普通も1時間に3~4本あり、最も遅い列車で所要時間85分、表定速度33.7km/h。神戸線同様、利便性は高そうだ。

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