スーパークールビズではポロシャツ・チノパンに加え、ジーンズ・Tシャツ・サンダルまで許容されていることをご存じでしょうか? もちろん、TPOに応じた節度ある着用が推奨されており、さすがにTシャツ・サンダルは内勤であっても躊躇するでしょうが、「ダメージがないジーンズはありかも?」という話を、最近ビジネスマンのクライアントから耳にします。
今のビジネスファッション市場には、ビジポロのみならず、新たなカテゴリーのアイテムも登場しています。今年、注目なのが「機能性スラックス」です。
これまでゴルフウエアで使われていた機能性パンツを、ビジネス仕様に昇華させた「第3のビジネスパンツ」と私は呼んでいます。その扱いは、ユニクロの「感動パンツ」だけではなく、20~40代をターゲットにしたツープライススーツ量販店THE SUIT COMPANY(青山商事)旗艦店の新宿本店でも、バリエーションに富んだ機能性スラックスが扱われています。
ドレスコードの基準作成を急ぐ企業
こうしたカジュアルなビジネスファッションが多様化していく中、服のコンサルタントである私にも同様のオファーがいくつかの企業から寄せられています。その共通項はスーパークールビズが許容される中、自社における「ドレスコードのガイドライン」を明確にしたいというものです。
「ビジポロはOKだけれども、週末のポロシャツはNG!」といった、かなり具体的な内容までガイドラインには盛り込まれます。たとえば、チノパンをはく場合、黒ではなく色が入った革靴、もしくは、ひもがあるスエードタイプが好ましいなど、業種によって許容されるアイテム・着こなしも大きく変わります。
さらに従来のドレスコートであれば、サマースラックスはOK、チノパンはNGなど2択でしたが、サマーウールのスラックスよりラフでありつつ、チノパンほどカジュアルではない機能性スラックスが登場したことで選択肢がさらに増えました。これまでチノパンはNGと設定していた企業も「会社として機能性スラックスを許容するか?」など線引きの見直しが求められています。
もちろん、ガイドラインを作る以上、これを機に社員の印象力を底上げしたいという狙いもあるようです。クールビズ・スーパークールビズのみならず、秋冬のジャケパン、いわゆるウォームビズのガイドラインまで話題に上がっています。
どんなビジネスであっても、取引先に合わせることが重要なことは言うまでもありません。ドレスコードが堅いと思われがちな金融機関にお勤めの30代クライアントからも、今年からサマージャケパンを導入するというオファーがありました。
また、昨年までクールビズ期間もスーツを着ていたクライアントの弁護士も、今年からジャケパンを導入しました。クライアント企業の担当者がノージャケットになったことで、自分が堅い格好をすること自体、コミュニケーションを取るうえでデメリットだと見ているようです。「とりあえずスーツを着ていればOK!」という時代が、今まさに変わろうとしています。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら