次期FRB議長に求められる、第3の使命とは? 雇用や物価と並び、重要視されてきた「低金利」の弊害

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6月会合ではこうしたインフレの動きについての警戒感を示さなかったが、その判断が、その後、長期金利が大きく上昇する一因となったのではないか、という見方がある(7月FOMC議事録)。6月会合で反対票を投じたブラード・セントルイス連銀総裁は、会合直後にワシントン・ポストに掲載されたインタビュー記事の中で、次のように語っている。

「インフレ率が低いことを踏まえれば、FOMCはインフレ目標の達成に向けた意欲をもっと強く示すべきだった。(中略)インフレの動きは予想していなかったことだ。もしこのまま低下が続き、その理由を説明することができなければ、そうした傾向を反転させるために金融緩和つまりQE3をもっと強化すべきかもしれないのだ」(ワシントン・ポスト、6月21日付)。

より厳格に2%のインフレ率を目指す姿勢示す

その後ブラード総裁は、デュアル・マンデートの重要性を改めてFOMC参加者らに再認識させることに成功したようだ。7月会合では声明文で次のようなリスク認識を提示することが決まったのである。

インフレ率が2%目標を持続的に下回ることは経済活動にとってリスクであることを当委員会は認識している。しかし、当委員会はインフレ率が中期的に目標に向かって持ち直すと予想している。――The Committee recognizes that inflation persistently below its 2 percent objective could pose risks to economic performance, but it anticipates that inflation will move back toward its objective over the medium term.

さらに、メイン・シナリオとして「インフレ率が目標に向かって持ち直す」という予想を示した部分についても、小さな、しかし重要な修正が施された。6月までは「中期的に2%の目標水準またはそれ以下に戻る」と表明してきており、目標を下回るインフレを長い間にわたって許容するような内容となっていた。7月の声明文では、より厳格に2%のインフレ達成を目指す姿勢が示されたのである。

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