次期FRB議長に求められる、第3の使命とは? 雇用や物価と並び、重要視されてきた「低金利」の弊害

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

7月会合で行われた金利ガイダンスの明確化・強化にかかわる議論でも、「インフレ率が特定の期間、特定の水準以下で推移する場合には利上げをしない」というガイダンスを導入してはどうか、という新たな提案があった。こうしたガイダンスを導入することで、「目標を超えるインフレだけでなく、目標を下回るインフレも許容しないというメッセージを強化できる」という考え方だ。今後、声明文に導入される蓋然性は低くないと思われる。

今秋にも次期議長を選出する、としたオバマ大統領

この夏、「次期FRB議長は誰か」という話題が大きな盛り上がりを見せた。報道から見えてくるのは、「FRBやFOMCが果たすべき使命とは何かが、あらためて問われている」という点だ。

かつてグリーンスパン前議長は、2005年5月、ペンシルベニア大学ウォートンスクールの卒業式で行った祝辞で、「卒業する皆さんと私とは共通点がある。まもなく職探しをしなければならないことだ」と述べて議長職を退任する意向を示唆した。そして同年10月、当時のブッシュ大統領はバーナンキを次期議長として指名した。

一方、来年1月末に任期切れを迎えるバーナンキ議長も今年の卒業シーズンに退任の話が出た。ただそれは、同月に議長が行った古巣プリンストン大学での卒業式の祝辞ではなく、オバマ大統領のテレビインタビューという点でグリーンスパン前議長のケースと違っていた。

大統領は「自身が望んでいた、あるいは考えていたよりも長く在任しているミューラーFBI長官に、バーナンキ議長はやや似ている」(ロイター、6月17日付)と述べ、事実上、バーナンキ議長に引導を渡した。今月9日の記者会見では、オバマ大統領は「今秋にも(次期議長の選出という)決断をする」と明言している。

次ページサマーズとともに浮上した第3の使命
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事