別居し離婚の話し合い中も「不倫」になるのか ポイントになるのは「婚姻関係の破綻」
離婚に向けての話し合いや別居をしている間の「不倫」に関して、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに質問がいくつか寄せられています。
ある男性は、妻が家事をしなかったり、セックスレスだった結婚生活に見切りをつけるために別居をして、離婚に向けての話し合いをしていました。別居から半年の間に、別の女性と親しくなったそうです。「それでも不貞行為にあたるのか」と心配しています。
また、ある女性は夫から「離婚したい」といわれて別居することになりました。ところが、その後、夫が彼女をつくって交際していることを知りました。とてもショックを受けている様子で、慰謝料を求めたいと考えています。
たしかに、離婚に向けての話し合いをしているとはいえ、相手がすぐに離婚に応じない場合、不倫していたら道義的に問題がありそうです。一方で、もはや修復不可能なくらいの期間別居している場合は、新しいパートナーをつくっても許されそうな気もします。法的にはどんな問題があるのか。柳原桑子弁護士に聞きました。
婚姻関係が破綻している場合は「不貞行為」にあたらない
「離婚が成立しておらず、法律上の婚姻関係が継続しているときは、基本的に『不貞行為』が成立するものと考えられます。『不貞行為』は、責任を負うべき離婚理由になり、損害賠償の対象となります。
ただし、離婚協議中や別居中であれば、その状況、別居期間および別居の理由などを総合的に考慮したうえで、夫婦の婚姻関係はすでに破綻していると認められる場合には、不貞行為として責任を負うことにはならないと考えられます。