新幹線「先着列車」を表示しないのは不親切だ 後発列車が先に目的地に到着することもある

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英国の駅に設置された「A to Z Departures」表示板。目的地別の最速列車表示は日本でもぜひ応用してほしい(ロンドン・ブラックフライヤーズ駅で、筆者撮影)

利用者はまず、自分が行きたい駅をアルファベット順に配列された駅名の中から探し出す。そこには最速で着ける列車の出発プラットホームと時刻が表示されている。わずか3つの情報だけで地理がわからない人でもストレートに理解できる仕組みになっているわけだ。ちなみに表示板の呼び名は「next fastest train(直訳すると、次のいちばん速い列車)」や、「A to Z Departures(目的地の駅名がアルファベット順で並んでいるため)」などいろいろな表現が使われている。

英国の駅には日本と同様、列車が出発時刻順に並べられた出発案内の表示板がある。列車の目的地とともに、停車駅名が掲示されるが、地理がわからない人にとって、とっさにどの電車に乗るべきかを判別するのはとても難しい。それに加え、英国では「特急」「急行」といった分け方は一般的でないので、同じ行き先でも所要時間の長短を案内表示板で見分けるのはほぼ不可能だ。

誰もが少しでも早く目的地に着きたい

「案内表示を見て考えるくらいならスマホのアプリでチェックする」という人もいるかもしれない。とはいえ、多くの人はスマホの情報だけを鵜呑みにせず、駅やホームの表示を見て、本当に自分が乗る列車かどうかを再確認するはずだ。そう考えると、駅での表示はよりユーザーフレンドリーな形態で示されるべきではないだろうか。

この「先行列車のリスト表示」は利用者にとってありがたいシステムだ。当たり前のことだが、料金が同じなら誰もが少しでも早く目的地に着きたいのが当たり前のことだからだ。

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