安倍内閣に集まった寝首を掻きかねない面々 支持率浮揚を狙って異例の抜擢をしたが…
河野太郎元国家公安委員長の外相抜擢も、興味深い人事といえる。国際派のイメージの強い河野氏だが、外務三役の経験はない。しかも父親は河野洋平元衆議院議長で、宮沢政権の官房長官を務めた時に、いわゆる「河野談話」を発表している。
慰安婦問題を巡って必ず問題となるのが、この河野談話である。もともとは韓国政府からの依頼で作られたもので、強制連行を示す客観的な資料は発見できなかった。それでも日本側がこれを認めたのは、韓国側の「認めてくれたら二度と問題にはしない」という申し入れを信じたためだ。
外相就任直後に開かれた会見で、河野大臣に河野談話とこれからの慰安婦問題への取り組みについて聞いてみた。慰安婦問題については2015年12月、日韓両政府間で「最終的かつ不可逆的に解決する」と合意されたが、それが韓国政府によって反故されようとしている。河野大臣は「70年談話と日韓合意が着実に実行されることが望ましい」と述べるのみで、「河野談話」には触れることはなかった。
その河野大臣と「歴史認識は完全に一致している」と述べた安倍首相だが、安倍首相は2012年9月の自民党総裁選に出馬表明した時、「河野談話を見直したい」と明言している。
寝首も掻きかねない面々とどう渡り合うか
有名政治家を取りそろえた華やかな陣営。これで低落する支持率を反転させたいという安倍首相の思惑がある一方で、寝首も掻きかねない面々も見える。
間もなく5年になろうとする安倍政権の安定性にやや曇りが見えた今、安倍首相は解散総選挙の日程を「白紙状態」とした。
もともと政治は常在戦場が基本だが、今年の夏はいちだんと長く暑くなりそうである。
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