「ワタミ」の渡邉美樹が考える若手の働き方 成功するビジネスパーソンの共通点とは何か

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「誤解してほしくないのは、闇雲に働けという話ではありません。国や企業が、働きやすい環境をつくり、人々を守るのは当然のこと。ただし、特に若い頃の基礎固めの時期には、バランスを気にしながら足腰を鍛えるのはなかなか難しいというのをお伝えしたいのです。若手時代にしっかりと基礎を固めておけば、その後は仕事にも慣れて自己調整できるようになりますから、そうしたら自分が理想とする働き方を実現していけば良いのではないでしょうか」

仕事は自己実現の手段

渡邉氏が25歳の頃を思い返すと、体力的につらいと感じることもなかったわけではない。それでも、心の中はワクワクしていた。すべては自分自身の夢の実現のためだからだ。

「仕事とは、本来自己実現の手段なんです。だから、働いている時間も自分の大切な人生の一部だと思えるか。そう思える仕事しかしてはいけないと僕は思っています。ワークライフバランスの権利ばかりを主張する若手がいるとしたら、そういう人は会社に時間を搾取されているという感覚で働いているのではないでしょうか。自分の時間を切り売りするような働き方は、仕事の本質ではないと思います」

経営者を含め、多くのビジネスパーソンを見て来た渡邉氏は、成功するビジネスパーソンには明らかな共通点があるという。それは「欲の強さ」だ。彼らは「金持ちになりたい」「異性にモテたい」といった自分なりの欲を、まっすぐに追求している。

「僕自身、子どもの頃の貧しさから、最初は『家が欲しい』『良い車に乗りたい』という物欲に突き動かされていた。でも、自分の物欲に留まっていては、しょせんはその程度で終わってしまう。自分が豊かになったなら、社員も豊かにしたい、もっと世のため人のためになりたいなどと、どんどん欲が広がっていく人こそ、本当の成功者になれるのではないでしょうか」

その意味で「欲」とは、その人の純粋な「夢」と言っても良いのかもしれない。つらいことがあってもワクワクしながら頑張れるのは、それが自分の「夢」だからだ。

渡邉氏が理事長を務める学校法人郁文館夢学園では、「25歳で輝いている人材を育てる」ことをゴールにしている。とかく中・高一貫校は大学合格率で評価されがちだが、若者教育の目的は決してそこではない。

「自分の夢を持って、大学4年間はしっかり勉強する。それから社会人3年間みっちり基礎経験を積む。そして25歳から本当の人生を生きていってほしいですね」

世の中の仕組みを冷静に理解し、その中で自分がどのような役割を果たしたいのか。広い世界の中で自分を客観視しながら、素直にワクワクできることを追求していく。そのためには、若手時代に“必死に頑張る経験”が必要だ。

営業活動は楽なことばかりではないだろう。だがそんな成長過程こそが、渡邉氏が考える「輝く人生を送る」第一歩になりそうだ。

(取材・文/瀬戸友子 撮影/桑原美樹)

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『20's type』編集部

『20's type』は、キャリアデザインセンターが運営するWebマガジン。2018年4月より『営業type』からサイト名をリニューアル。新時代を生きる20代若手ビジネスパーソンの「働く力」を育むために役立つ情報を発信している。

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