CASは4K/8Kになると"悪質化"する

NHKが密室で主張していることとは?

ところがB-CASカードの後継であるACASの枠組みが現行案のまま進められると、加入者識別機能にかかるコストは確実に4K/8Kチューナーを搭載する全製品の価格を押し上げ、消費者側の負担になる。

元々はB-CASカードと同じようなカード形式も検討されていたが、有料放送を無料のまま視聴可能になる「ブラックB-CASカード」が出回ったこともあるため、安全性のためにチップレベルで組み込む方向へと議論が動いてきたという。

目的は「受信料支払い」を促すこと

理想の姿は明快だ。「スクランブル解除機能はソフトウエアで対応する」「加入者識別機能は有料放送を行っている事業者の負担でカードを発行する」という切り分けが妥当だろう。公共放送であるNHKによる強制的な「メッセージ表示」がなくなってしまうものの、この点について他の有料放送局が大きな反対をすることはないはずだ。

ちなみにB-CASカードを運用するためのコストは年間約50億円だそうだ。ACASでチップ埋め込みが必須となれば、従来のフルHD放送も包含しているため、将来はもっと大きな金額になっていく可能性もある。それらをNHKの受信料支払いを促すために必須要件とするのは無理筋といえないだろうか。

ただ、現実的には完全ハードウエアによるACASは開発が進んでしまっている。2018年中の開始を考えれば、電機メーカー側は新CAS協議会の案をのまざるをえない状況に置かれているようだ。

繰り返しになるが、この問題を考える上で最大な課題を指摘しておきたい(参照:「4K番組は録画禁止」という驚愕のシナリオ)。これまでは放送事業者が負担していた費用を消費者に求める仕組みにもかかわらず、NHKを座長とする新CAS協議会が密室で物事を決めようとしていることだ。

こうした規格は、一度策定してしまうと簡単に変えるわけにはいかない。実用放送開始のタイムリミットを考えるならば、早急にオープンな議論へと展開させる必要がある。

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