「ゲリラ豪雨」が増えているのは、なぜなのか かつては単なる夕立だったはず
ゲリラ豪雨をもたらすものは積乱雲と呼ばれる雲です。積乱雲とは、夏にモクモクと高く発達する入道雲や雷雲のことで、ひとつの積乱雲の大きさは数kmから十数kmです。つまり、ある場所では大雨が降っているけれど、隣駅では大雨は降っていないことも決して珍しくありません。
しかし、現在の天気予報の技術では、竜巻やゲリラ豪雨などの小さな気象現象を予測するのが難しいのです。だから、ゲリラ豪雨は「ゲリラ的」に発生してしまうように感じるわけです。
ゲリラ豪雨を避けるためには
ただ、予測しにくいとはいえ、予報ができないとさまざまな災害を招くことは確かです。そこで、気象庁をはじめ、さまざまな研究機関では、なんとかしてゲリラ豪雨を事前に予測し、緊急地震速報のようになるべく早く住民に通知できるよう、「ゲリラ豪雨」を死語にするべく研究を進めています。
そして、私たちにもゲリラ豪雨を避けるために活用できるツールはあります。それは、気象庁の「高解像度降水ナウキャスト」です。これは、気象レーダーのデータを基にした雨の実況と短時間の降水予報です。
高解像度降水ナウキャストを見れば、現在雨がどこでどれくらいの強さで降っているのかがわかります。正方形のピクセルの一辺は250mときめ細かく、30分後までの実況と予報が5分ごとに更新される形でわかります(ただし、海岸から離れた海上と、予測時間が35分から60分までは、1kmの解像度です)。
また、下にあるいくつかのアイコンのうち、左から2番目のアイコンをクリックすると、強い雨が降っているところが黄色い枠で囲まれて表示され、30分後にはその雨の範囲がどのように変化するのかもわかります。
積乱雲は、大雨だけでなく、雷や竜巻を発生させることもありますが、これらが発生しやすいかどうかも、真ん中のアイコンをクリックするとわかります。パソコンやスマートフォンのインターネットアプリでブックマークしておけば、すぐに見られるので便利です。
また、スマートフォンのお天気アプリの中にも、この高解像度降水ナウキャストを基にした実況兼予報があります。「高解像度降水ナウキャスト」という言葉で検索すれば、対応しているアプリが出てくるので、インストールしてみましょう。スマートフォンの場合はアプリのほうが使いやすいと思います。
暗い色の雲が近づいてきたら、小まめにチェックしておくと、自分のいるところで大雨が降ってきそうかどうかはある程度わかるので、ぜひ活用してみてください。
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