7月も後半に差し掛かってきた。今年もこの時期までに、多くの企業で夏のボーナス(賞与、一時金)が支払われただろう。
一方、企業が社員に給料やボーナスを払うためには、何はなくとも原資を稼がなければならない。その基本中の基本となるのが売り上げ(売上高、営業収益)だ。持続的な発展には安定した利益が不可欠ながら、いくら原価や費用を抑えても肝心の売り上げがさっぱり上がらなければ意味がない。
言うまでもないが売り上げとは、企業が商品やサービスの提供などの営業活動によって得た収益のこと。業種や業態、企業ごとに売り上げの稼ぎ方はさまざまだ。では、この売り上げを効率的に上げているのは、いったいどんな企業なのか。東洋経済オンラインは上場企業の最新決算を対象とした「1人当たり売上高」を調べ、トップ500社をランキングした。
その名のとおり、それぞれの企業の直近本決算における売上高を従業員数で割って算出した数値で、全体の売上高、営業損益、平均年収も併載した。従業員数には一般的に派遣やパート、アルバイトなどの非正規社員(臨時従業員)が含まれていないので、実質的な頭数で割り出した数値とは少しズレがあるかもしれないが、企業の営業力や収益性、効率性の目安になる。
1人当たり売上高1億円超は442社
一般的な事業会社と収益計上の概念が異なる金融系(銀行、証券、保険、リース会社の一部)などは除外した。1年前にも同じ趣旨のランキングを公表しており、それも参考にしていただきたい。一部のデータは『会社四季報』(東洋経済新報社、最新号が発売中)から抜粋した。
1位はアルデプロ。1人当たり売上高は14億4600万円。収益ビル・マンションの仕入れ販売を手掛ける不動産企業だ。2008~2013年(7月期)まで赤字が続いたが、私的整理の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)を経て復調した。
2位はトーメンデバイス。トーメンと2006年に合併した豊田通商系の企業で、半導体や液晶の専門商社だ。サムスン電子のDRAM・フラッシュメモリの扱いを主体としている。扱っている商品と専門商社という業態の特性があるかもしれないが、1人当たり売上高は12億3368万円となった。
上位には卸売り系の企業が目立つ。ただ、利益率との関係などを見ると、必ずしも効率的に利益を上げていないケースもある。 1人当たり1億円の売り上げを稼ぐ企業は442社。対象企業の1割強に当たる。