ハイテク業界が抱える「セクハラ」という闇

20人以上の女性たちが不快な体験を告白

女性たちが口を開きはじめたのは、テクノロジー系ニュースサイト「ザ・インフォメーション」の報道がきっかけだった。同サイトは、バイナリー・キャピタルのベンチャーキャピタリスト、ジャスティン・カルドベックが、女性起業家たちに手を出したことを報じたのだ。

カルドベックは過去7年間に3つのベンチャーキャピタルで働いたが、その間に女性起業家たちにセクハラ行為を行ったと非難されている。多くは女性たちが自社についてのプレゼンテーションを行っているときだった。

先週、リンクトイン創業者のリード・ホフマンをはじめとする、シリコンバレーの著名ベンチャーキャピタリストや技術者らが、カルドベックの行動を非難し、投資家に対して「品位の誓い」に署名するよう呼びかけた。バイナリー・キャピタルは、カルドベックが辞任し、投資家らが資金を引き揚げたため、経営は崩壊している。

業界内の女性エンジニアたちも、セクハラ行為について公表するようになった。元ウーバーのエンジニアは同社のセクハラのパターンを詳細に示し、それが社内調査につながって、6月にはCEOのトラビス・カラニックが辞任した。

リンゼー・ウーも、セクハラを受けたと訴える女性起業家の1人だ(写真:Sasha Maslov/The New York Times)

こうした一連の出来事に勇気づけられた女性たちが、投資家たちから受けてきた扱いについて、さらに発言するようになっている。

「女性起業家はシリコンバレーで重要な役割を果たしている」。こう話すのは、ファッション関連のスタートアップ企業、スティッチ・フィックスを創業したカトリーナ・レイクだ。彼女はカルドベックに狙われた女性の一人でもある。「業界がこの問題を認識し、解決できるよう、ここ数週間で報じられたような行動を公表していくことが重要だ」。

こうして新たに出てきた証言は、テクノロジー系スタートアップの世界にどれだけセクハラが蔓延し、深く染み込んでいるかを裏付ける。同時に、シリコンバレーの文化が変わってきていることも示している。以前は、こうした行動のうわさはあっても、公表されることはなかったのだ。

著名投資家がセクハラに関与

本紙に経験を語った何人かの起業家は、投資家やアドバイザーが許可なく体に触ってくることも多いと話した。

起業家で投資家のスーザン・ウーは、2009年にラスベガスで開かれた男性がほとんどの業界の集まりで、元グーグル幹部で投資家のサッカが、断りもなく不快なやり方で、彼女の顔に触れてきたという。ウーはまた、2010年に資金調達を行った際にカルドベックから誘いを受け、その後は顔を合わせそうなときには必死になって彼を避けたと話す。「あまりにも力が不均衡なので、この業界の女性は苦しい状況に陥ることが多い」とウーは言う。

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