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ドラギ総裁がインフレ見通しに自信を示したことでユーロが急上昇(写真:ロイター/アフロ)
ECBの緩和バイアス修正とドラギ総裁のタカ派的発言
ユーロは対ドルで年初来8%上昇。2015年8月の高値1ユーロ=1.1714ドルを起点とした下落トレンドチャネル(下落トレンドの平行ライン)の上限(7月6日時点では1.1470ドル付近)を試す勢いとなっている。テクニカル上は、この水準を突破すれば、2年間かけて形成された下落トレンドから長期的な上昇トレンドに転換したサインとなる。
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ユーロ高の背景として、(1)ユーロ圏の景気回復、(2)ECB(欧州中央銀行)の金融政策スタンスの変化、(3)ドイツの閣僚によるユーロ高誘導発言、などが挙げられる。
ユーロ圏は特にドイツの景気回復が目覚ましい。ZEW景況感指数は今年に入ってから加速度的に改善し、昨年12月の63.5から、6月には88まで上昇している。Ifo企業景況感指数も昨年2月の105.8から右肩上がりで、6月は115.1と前回のピーク2010年12月の114.4を上回っている。
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(注)ZEW景況感指数:民間調査会社ZEWが機関投資家を対象とする聞き取り調査を基に算出する景気先行指数で、50を超えると好況とされる。Ifo企業景況感指数:Ifo経済研究所が7000の企業に業況についてアンケート調査を行って作成する指数で、2005年の平均=100としている。
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