ポルシェ911、公道最速モデルは何がスゴいか 700馬力&後輪駆動「これこそビーストだ」

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新型に追加したあたらしいエンジン冷却システムは、まんまレーシングカー用のようなシロモノだ。最高負荷域で高温になるとインタークーラーに水を噴射して、過圧域での吸気温度をオーバーブースト可能な温度域へと下げる。

変速機はGT2 RS専用にカスタマイズした“GT 7段ダブルクラッチトランスミッション(PDK)”。途切れることなくパワーを伝達し、静止状態から時速100kmまでわずか2.8秒の加速性能を誇る。最高速度は、なんと時速340km!

ポルシェはこうした超高速度域でのスタビリティを担保するために、リアアクスルにステア(後輪操舵)機能を与え、ウルトラハイパフォーマンス(UHP)タイヤを標準装着した。“完璧なレーシングシャシー”である、と胸を張る。

超がつくほどの軽量仕様

911 GT2 RSは車両をできるだけ軽くするために、フロントフェンダー、ホイールハウジングベント、リアサイドセクションのエアインテーク、そしてエンジンフードなど各所にカーボンファイバー強化プラスチックを、またルーフにはマグネシウムを素材として採用した。その結果、燃料満タン時での車両重量は1470kgと超がつくほどの軽量に仕上がっている。

専用開発のエグゾーストシステムは軽量チタン製で、911ターボ用のシステムよりも約7kg軽いそうだ。さらに「これまでにない感情に訴えるサウンドを響かせます」(ポルシェ)というだけあって、たしかに高音と中音のいい成分が混じった見事な“音楽”を演奏した。

「これはホンモノのビーストですよ」

911 GT2 RSとともに登場したもとF1ドライバーで、現在ポルシェのブランドアンバサダーを務めるマーク・ウェバーは会場でそう語った。

「公道を含むさまざまな条件下で運転してみました。驚くほどのパワーの持ち主です。でもいっぽうでエアコンもついていて、毎日乗ることも出来ますよ」

ウェバーはそう言ってほほえんだが、多少のウデの覚えのある一般ドライバーでも本当に制御できるのだろうか、とも思わないではなかった。とはいえ、ポルシェはポルシェだ。一般ドライバーでも、その真髄の片鱗には触れることができるように仕立ててあるのにちがいない。

価格などについてはまだ発表されていないが、追って日本仕様の詳細が明らかになるだろう。また、このクルマのオーナーにだけ販売するという専用タイムピースをポルシェが用意したのも、時計好きにはニュースである。

というわけで、すべてのスポーツカー・ファンよ、刮目して続報を待たれよ!

(文・小川フミオ)

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